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奇妙な「だしの自動販売機」が全国で急増している理由

予想外の売り方がまさかの大成功
岡本 ジュン プロフィール

トビウオを丸ごと入れた「意外な理由」

醤油の消費量が低迷していく中で、何か変わった商品ができないかと悩み抜きました。『だし道楽』はそうした迷いの末にたどり着いた商品です。

料理をする上で欠かせない酒、みりん、醤油を合わせる手間を省いて、誰でも簡単に使える商品にしたいと考えました。開発で重視したのは、どんな料理にも合わせやすく、使いやすいということです」(二反田醤油・広報担当者)

とはいえ、ただの『だし醤油』では他社に負けてしまうかもしれない。そこで差別化を図るために思いついたのが、昆布やあご(トビウオ)を丸ごと入れるという手法だ。こうすることで容器の中でだしのエキスが濃くなっていくというメリットもある。

炭火焼きあごが丸々一本入った『焼きあご入りだし道楽』
 

『だし道楽』のバリエーションは3種類ある。基本は北海道産の昆布を入れ、醤油と合わせて熟成させた『だし道楽』。この昆布だし醤油をベースに、長崎・平戸産の焼きあごを丸ごと加えたのが『焼きあご入りだし道楽』。四国・土佐清水産の宗田カツオを入れたのが『宗田節入りだし道楽』だ。

二反田醤油では、開発した自信作のだしを味わってもらうために、直営のうどん店も手掛けている。当初『だし道楽』もその店で販売していたが、「もっと手軽に買えるようにして欲しい」という顧客の声に応え、24時間体制で販売できる自動販売機という画期的な方法に踏み切ったという。

話題性を意図して狙ったわけではなかったが、そのユニークな販売方法が後々『だし道楽』に注目を集めることとなったのだ。