証券業界に大激震…! 営業マンが売りまくる「仕組み債」のヤバすぎる現実

コロナ禍で「損する人」が続々と…
浪川 攻 プロフィール

元本割れ

日経平均株価の動きに投資結果が大きく左右される日経平均リンク債は、仕組債の代表格的な商品である。仕組債とは、9月16日発売の拙著『証券会社がなくなる日』(講談社現代新書)でも繰り返し取り上げているように、俗にいう「ハイリスク・ハイリターン」な商品である。投資家の見通しが的中すれば、通常の債券では得られないような高い利益が得られる。

しかし、逆に見通しが大きく外れると元本を大幅に棄損するリスクが高まる。

現在の証券会社の「問題点」について詳述している

だからといって、筆者はただちに「けしからん商品」と断じるつもりはない。そもそも、証券商品は価格変動する。したがって、損失が発生して投資元本が棄損するリスクは内在している。かつ、潜在的なリスクの発生確率などは、誰も正確に計測することができない。

だからこそ、証券会社には素人の個人顧客が理解できるような説明をきちんと果たす責任がある。たとえば、債券の価格(利回り)は基本的に満期償還まで変動し続ける。しかし、発行した企業や機関、あるいは、国がデフォルトを引き起こさない限り、満期償還日になれば、投資した元本は戻ってくる。それもあらかじめ定められた利息が支払われたうえで。したがって満期保有すれば、デフォルトという最悪の事態を除き、安定な運用手段といわれている。

とはいえ、安心することはできない。仕組み債は「債券」と名付けられてはいるものの、あらかじめ設定されている条件に基づいて、一定のタイミングで一定の価格水準になると早期償還したり、あるいは「ノックイン」と呼ばれる元本割れの事態に陥ったりするからだ。

 

証券会社はそこをきちんと説明できているかが、絶えず問われている。たしかに各社は、「目論見書」という商品説明書類を顧客に渡して説明している。だが、それによって個人顧客がきちんと理解できるとは限らない。しかも、あとは「理解していただきましたか」と念押しをするだけである。