衣料品で広く用いられている「プラスチック」

環境への配慮から、世界はいまプラスチックフリー(脱プラスチック)へと転換のときを迎えています。日本では、7月に小売店のプラスチック製レジ袋の有料化がスタートし、レジ袋やエコバッグに関するニュースを見聞きする機会が増えました。私自身もエコバッグを持ち歩くようにしています。

しかし、レジ袋がなくなればプラスチックが引き起こす環境問題が解決するわけではありません。経産省によると、レジ袋の有料化は「啓蒙・啓発」が目的なのだそう。レジ袋の有料化をひとつのきっかけに、プラスチックの過剰な使用を抑制し、賢く利用していく必要があります。

成形しやすく、軽くて丈夫なプラスチックは、衣料品などの布地にも広く用いられています。ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタンなどの合成繊維はファイバー状のプラスチックで、天然繊維の欠点を補う優れた特性を備えています。リサイクルポリエステルやリサイクルナイロンなど、再生技術が実用化されたものもあり、石油から作られるバージンポリエステルやバージンナイロンに比べると、製造プロセスにおける環境への負荷は小さくなっています。

しかし、合成繊維の布地を洗濯すると大量のマイクロプラスチックファイバーが発生し、下水処理場から排水される水にも、マイクロプラスチックファイバーが含まれていることがわかってきました。生態系や私たちの人体に与える影響はまだ解明されていませんが、マイクロプラスチックファイバーは微生物に分解されることはほとんどないため、半永久的に地球上に残り続けます。

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より環境に優しい布地とは?

衣料用の繊維は、天然繊維と化学繊維があり、それぞれ次のような種類があります。

■天然繊維
植物繊維(綿、麻)、動物繊維(シルク、ウールなど)、指定外(テンセル、リヨセルなど)
■化学繊維
再生繊維(レーヨン、キュプラなど)、半合成繊維(アセテート、トリアセテートなど)、合成繊維(ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタンなど)

これらの繊維の中で生分解性を有しているのは、天然繊維と再生繊維です。合成繊維の中でも最も生産量の多いポリエステルについては、リサイクルポリエステルに加えて、植物由来原料を使ったバイオポリエステルの開発および実用化も進んでいます。開発競争が目まぐるしい分野なので、より環境に優しい布地が続々と登場しています。

サスティナブルファッションを推し進めるアパレル産業においても、プラスチックフリーへの取り組みとして、生分解性のある素材が取り入れられるようになっています。今回はファストファッションブランドの新製品から、プラスチックフリーの具体例を見ていきましょう。