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まるで「罪の意識」ゼロ、日本政府がモーリシャス重油流出に無関心なワケ

国際的な批判を浴びかねない

座礁事故から1ヵ月が経ったが…

風光明媚なインド洋の島国モーリシャスの沖合いで、商船三井が手配した貨物船「わかしお」が座礁事故を起こしてから1ヵ月半あまり。わかしおに積み荷はなく乗組員20名も無事だったが、大量の重油が流出して貴重なマングローブの森を汚染する深刻な事態に発展した。

現地では今月(9月)1日にも、流出した重油の回収作業に当たっていたタグボートが転覆し、作業員3人が死亡、1人が行方不明となっている。事故の現場は、「生物多様性のホットスポット」と呼ぶべき場所で、現地の環境や漁業が受ける被害は計り知れない。

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しかも、「安全な航行を怠った」疑いで逮捕されたインド人船長が「家族と通話するためインターネット(Wi-Fi)に接続したかった」と航路を離れて島に近付いた理由を説明しているという報道もあり、日本側の責任が保険による損害賠償では済まされない可能性も出てきた。

ところが、モーリシャスの旧宗主国であるフランスと比べて、日本政府は事態の深刻さに対する認識が乏しく、フットワークも悪い。

なぜ、日本政府は環境軽視だと国際的な批判を浴びかねない状況に無頓着なのか考えてみたい。

1000トンもの重油が流出

まずは、事故の発生と経緯を整理しておく。

座礁事故が起きたのは、現地時間の7月25日夜のことだ。わかしおは、パナマ船籍の大型ばら積み船(載貨重量20万3000トン)で、岡山県の海運会社「長鋪汽船」の子会社「OKIYO MARITIME CORP.」が所有しており、海運大手の商船三井がチャーターして運航中だった。