〔PHOTO〕gettyimages

第2次安倍政権とは何だったのか? 長期政権を維持できた「構造的事情」

大局的な視点から総括する

安倍首相は、強力なファン層とともに、感情的な敵も持った。人間性に魅了された味方も多かったが、敵も作るタイプだった。特に国内における野党勢力や伝統的メディアとの感情的な泥仕合は、第二次安倍政権を特徴づける情景であった。

〔PHOTO〕gettyimages

退陣表明にあたって、各国の首脳からは、安倍首相の功績を称賛する言葉が数多く寄せられた。日本の首相に対する評価としては稀有なレベルだ。

安倍首相が持っていた強い個性と、人間味のある姿勢は、国際的にはより良く機能していたようだ。もっとも文在寅大統領の韓国との関係悪化などを考えれば、敵味方を作る傾向は、一定程度は国際的場面でも存在していたと言えるかもしれない。

伝統的メディアでは、安倍首相のパーソナリティーのような人格的事情に還元してこの傾向を理解する見方が強いようだ。しかし、私見では、それは必ずしも正しくない。安倍首相が長期政権を維持することができた背景には、構造的事情がある。

おそらく安倍首相の政治的遺産は長く続いていくだろう。だが残念ながら、安倍首相の個性と伝統的メディアとの不和のために、その遺産を大きな構造的事情から分析していく試みは、あまりなされないかもしれない。

 

そこで本稿では、より大局的な視点から、第二次安倍政権が持っていた意味を整理することを試みる。

第一に、首相権限の強力化と派閥政治の関係、第二に、外交安全保障問題の重要性の高まり、第三に、国際社会における日本の価値観外交の有効性の確認、という観点から考察を進めていきたい。