〔PHOTO〕Gettyimages

ソフトバンク千賀、復活。27歳の「挑戦するエース」が抱えていた苦しみ

伝家の宝刀のフォークが帰ってきた

7イニング9奪三振の快投

あれは間違いなく、打者の視界からボールが消えていた。これぞお化けフォークだ。
鷹のエースが誇る伝家の宝刀がついに蘇った。

福岡ソフトバンクホークスの千賀滉大が8月25日、本拠地PayPayドームで行われたオリックス戦で今季最長の7イニングを投げて、被安打わずか2本に抑えて9奪三振での無失点と快投を見せた。

千賀(2017年)〔PHOTO〕Gettyimages
 

試合はホークスが4対0で快勝。勝利投手になりヒーローインタビューのお立ち台に上がった右腕は、その後の囲み取材での「納得いく投球が出来たのでは?」という問いかけに、ちょっと言葉を選ぶように笑みを浮かべながら静かに語りだした。

「いや、まあ、どうですかね。うーん、ちょっとずつ操れて始めたのかなというのが、今日の感じの中でありました。もっとスムーズならば八回のマウンドにも立てたと思いますが、まずは先発らしい仕事を初めて出来たかなと思います」

苦しかった七回の場面。コントロールを乱してしまい3四球で2アウトながら満塁のピンチを迎えた。ここで対するのは、打順は8番ながら秘めた強打の持ち主であるロドリゲスだ。

「それはほんと、たまたま、ですけどね」

この勝負どころの配球について、千賀は苦笑いして首をすくめた。だが、ともに育成出身で名コンビを組む捕手の甲斐拓也はどこか確信を得ていたように3球とも同じサインを出し、千賀もまた自分を信じて3度右腕を振り抜いた。

1球目も2球目もフォークで空振り。

そして、3球目もストンと落として、見事に空振り三振だ。

この日最大のピンチをお化けフォークでしのいだのだった。