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「二度と戦争を起こさない」その言葉、使いすぎると「逆効果」かもしれません

「真面目すぎ」は、ちょっとあやうい

「二度と戦争を起こさない」という言葉

お盆を過ぎると、「戦争」を扱うテレビ番組がとたんに減る。

「終戦記念日」が8月15日だから、お盆休みのあいだは戦争の番組をしきりに見かけるが、それ以降はあまり見かけない。

わが国ではここ75年ほど、「先祖の霊をまつる」盂蘭盆会と、「戦争で亡くなった人のことを考える」というイベントが重なってやってくることになっている。

つまり、戦争について語ることが、「真夏の季節もの」になっている。

少し不思議な風景である。

8月6日、広島の式典〔PHOTO〕Gettyimages
 

いま放送されているテレビ朝日のドラマ『真夏の少年〜19452020』は昭和19年にグアム島で戦っていた日本兵が、2020年の日本にタイムスリップしてくるドラマである。
博多華丸演じる日本兵は、地元の高校生と関わるのだが、彼が「亡くなった友人たち」を気にしているのが印象的である。

グアム島の戦いは昭和19年に行われ、アメリカ軍が日本軍を撃破して島を掌握するが、日本の敗残兵はジャングルに潜伏しアメリカ軍に抵抗をつづけていた。そのまま28年間、昭和47年まで潜伏しつづけていたのが横井庄一さんである。

華丸の演じる日本兵は昭和19年から令和2年に滑り込んできた。彼を見ていて感心したのは、戦争の勝ち負けや、帝国のその後についてより、ひたすら「友」についておもいを馳せているところだった。高校生を主人公にした青春ドラマだからだろうが、これはこれで一人の人間として、リアルに感じられた。

テレビ番組で、ドラマではなく報道系の番組で「戦争」が扱われると、必ず「二度と戦争を起こさない」という理念がセットになっている。ほぼ必ずそうである。

あまりバラでは売られない。

むかしから、この組み合わせにすこし違和感があった。

戦争の話をすると、みんながみんな、必ず最後に「二度と戦争を起こしてはいけない」と言って締める。そうしないといけないことになっている。

挨拶の定型文と同じだ。

そういう言い方をしないと、なにかに「失礼」なことになってしまう、そういう不思議な気配の漂う型である。