半沢、ナギサ、MIU…圧勝の「TBSドラマ」その裏で模倣作が増える懸念

各局の戸惑いが見え隠れ
木村 隆志 プロフィール

フジテレビと日本テレビに見える迷い

一方、他局に目を向けると、近年フジテレビは視聴率回復のために、『SUITS/スーツ』『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』のような刑事・医師・弁護士の作品を一気に増やした。

しかし、これらは中高年層の好むジャンルのため、話題性のある作品は少なくなり、ヒット作が生まれそうなムードはほとんど感じられない。そのため、まれにラブコメなどをはさんでヒットを狙っているのだが、視聴者にしてみれば唐突であり、期待感を抱かせることなく、ひっそりと終わっていく。

逆に日本テレビは10~40代に絞った先鋭的なマーケティングを進め、現在も『私たちはどうかしている』『未満警察 ミッドナイトランナー』『親バカ青春白書』を放送するなど、さまざまなジャンルのドラマに挑戦している。

しかし、まだ視聴者ニーズとのズレが見られるなど結果が伴っていない。そんな難しさがあるからこそ、3月まで放送された『トップナイフ -天才脳外科医の条件-』のような医師・刑事の作品をはさんでいるのだが、狙い通りのヒット作とはならなかった。

 

フジテレビも日本テレビも、編成担当とプロデューサーに迷いが見られ、現段階では中途半端なアプローチに留まっていることがわかるのではないか。ちなみに、「ほぼ刑事ドラマのシリーズ作」という超閉鎖的な制作姿勢のテレビ朝日は比較の必要性がないだろう。

ネット上には「面白ければ見る」「脚本と俳優がいいからに決まっている」という声も少なくないが、はたして本当にそうだろうか。どんなに面白くても、脚本と俳優が優れていても、同じジャンルに偏ってしまえば、その輝きは少なからず薄れてしまう。TBSを含む各局の作り手には、『私の家政夫ナギサさん』『MIU404』『半沢直樹』とは異なるジャンルでのヒット作を期待したい。

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