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習近平が重要指示を発して「大食い王選手権」放送禁止のお寒い背景

「食糧の1粒1粒を浪費するな」

「大食い王」禁止

中国国営「新華社通信」(以下「新華社」)は8月11日付で、中国共産党中央委員会総書記で国家主席の習近平が「餐飲(飲食)」の浪費をやめさせることに関する重要指示を出したと報じる記事を配信した。

この重要指示によって、その標的とされたのが「大胃王(大食い)」を商売として動画を配信したり、テレビの「大胃王比賽(大食い選手権)」に出演している人々だった。

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8月18日付の北京紙「新京報」は、中国の「大胃王」について次のように報じた。

(a)1人の痩せた少女が10碗の「凉皮(日本のところてん的な食物)」、10杯の手打ち面、10皿の焼きそばを次々と平らげる大食い動画は少なからぬネットユーザーの驚嘆と好奇心を誘ったが、彼女とは関係のない赤の他人が別の角度から撮影した映像には、彼女が「一辺猛吃一辺吐(めちゃ食いしては吐く)」を繰り返して、30人前分の料理の大部分をごみ箱の中へ吐き出す様子が映っていた。

これに類似した大食い動画は「快手(kuaishou)」、「抖音(Tik Tok)」など多数のショートビデオ・プラットフォームを通じて公開されているが、その内容は麺やホットドッグ、ハンバーグなど食べ物の種類を問わずに大食いに挑戦して、いとも簡単にギネス世界記録を塗り替えるのである。

(b)報道によれば、非常に多くの大食い達は大食い動画をネットの動画サイトに投稿することでネットユーザーの視聴を受け、視聴回数によって高額の収入を得る。彼らはグルメ探訪を名目に美食の店を紹介する動画を投稿することで、当該店から宣伝費をもらって稼ぐ者もいるし、「大胃王」であるのに太らないのは健康管理の秘訣があるとうたって、視聴者であるネットユーザー達に対してやせ薬を販売して稼ぐ者もいる。。

(c)こうしたニュースを知ると、多くの人はニュースが嘘であるかのように思うかもしれないが、元々いわゆる大食いの大多数は偽物であり、「一辺吃一辺吐(食べては吐く)」というような輩(やから)なのだから、どうして彼らが「大胃王(大食い)」だと言えようか。動画はつなぎ合わせていかようにも編集が可能であり、そのような動画に一体どれほどの価値があるというのか。要するに、これらの大食い動画は美食を道具に騙(だま)しの手段を用いて視覚的な盛宴(盛大な宴会)を作り出しているだけなのである。

中国で「大胃王」の大食い番組がテレビで放映されて、大食いが世間に知られるようになったのは2015年頃のことだった。大食いの出演者が食べ物を暴食し、時には食べた物を吐き出す様子を見て、世論は番組に対して賛否両論に分かれた。

大食い動画をネットに投稿することで大金を稼げることが知れ渡ると、我も我もと新たな大食い動画の参入者が雨後の筍のように増大するようになった。

しかし、人気のある大食い動画の製作者は着実に大金を稼げるが、大食いの食材は全て自腹であるために、その他大勢の製作者たちは動画を投稿すればするほど赤字になり、多額の借金を抱えるようになるのが実情だという。

8月12日の夜、上述したショートビデオ・プラットフォームの大手であるは「快手(kuaishou)」と「抖音(TikTok)」の責任者はネット上で公開している大食い動画の内容が食糧の浪費に該当するとして、対象動画をプラットフォームから削除ならびに実況放送の停止を行うと発表した。この動きはその他の同業他社にも波及するものと思われる。

 

恐らく大食い選手権的な番組は全面停止となるはずであり、大食い動画も公開が禁止となれば、多くの大食い達は失業の憂き目に遭うことになる。