投資の営業マンが実際投資しているか確認

そんなとき、学生時代の友達の紹介で、女性投資家の勉強会に誘われ、そこで長期投資を目的にした投資信託という存在を初めて知った。

「投資する会社を厳選するのはもちろん、長くお付き合いをして、一緒に育てていくという考え方を投信会社の会長さんから聞いて納得しました。私自身、お気に入りの会社の製品は何十年も使うし、自然とその会社とも親しいお付き合いになります。先方も長く離れずにいてくれた、信頼のおける顧客ということで大切にしてくれる。だから役得もあるし、紹介もあるし、愛のある関係が広がっていくんですね。お金ならなんでも一緒ではない。愛情の神様とお金の神様はイコールなんです」

また「売る人が、自分でも買っている」という姿勢も華子さんは気に入った。
「その場に来ていた投資信託のファンドマネジャーさんに聞いたんです。『あなた、このファンドにいくら積み立てているの?』『それは個人情報だから言えません』『金額のことを聞いているんじゃないのよ。自分でも積み立てているのかどうかを知りたいの』『もちろん、やってますよ』という会話があって、あ、ここは大丈夫だと思いました」

華子さんは無理のない範囲で少額の積み立てを始め、同時に損が出たまま放置していた金融商品もすっかり売り払い、すべて投資信託に入れた。

「100万円単位の損を抱えているだけで腹が立つでしょう。悪縁が切れたと思って、スッキリしました。今は幸い、運用益が出ているので、旅行に行くための費用などもそれでまかなうイメージです。私はなんでも先に予算を立ててから実行するので、遣いすぎるということはないんです。あそこの奥さん、生意気に投資をやっているんだとか言う人もいますけど、ヘンなねたみが出るから、人と比べないことも大事。私は私のたどり着いたお金の学びを実現させたい。投資でもすぐに儲かるとか、そういう言葉は信じません。愛情深く、大切に長期投資を育てたいです」

幸い、一人娘は結婚して独立し、今は1人暮らし。友人も多く、40年来つきあっている義兄義姉ともよい関係で、一族に尽くしてくれた嫁だからと大切にされているという。今後のことはどうなるか、誰にもわからないけれど、今はお金を適度に使いながら、健康と美容に心を配り、目の前の時間に集中して暮らしたいと考えている。

「社会のために、家族のためにずいぶん働いたと思うけれど、ただ働きで、自分で自分の価値を評価できなかったんです。もっといろんな生き方はあったと思うけど、その時々で精いっぱいやってきた。やはり愛情と素直さ、優しさなくては女性の人生は不完全。恥じることはなにもないと思っています。私は今、お金を貯めるというより、人生のフィナーレに向かってどうするかが大事。これからの日本がどういうことになるのかはわからないけれど、笑って、満足して最後を迎えるために生きています」

幸い、夫が頑張って働いたおかげで、ある程度潤沢なお金があったとしても、自分で管理しなければあっというまになくなってしまう。「お金のことはわからない」ではなく遺してくれたお金をどのようにきちんと管理するか。華子さんはそれを自分で考えて歩いている Photo by iStock