「生命保険でローン完済」と陰口を…

とはいえ当時20代半ばだった一人娘は最愛の父を亡くして心を痛め、華子さんも近所の奥さんたちから「夫の死亡で生命保険が出て、ローンは完済。マンションにほとんどタダで住めて羨ましい」などと陰口を言われて傷ついた。

「うちは全額キャッシュで買っているから関係ないのに、他人の財布を暴きたいんでしょうね。世間の人、特に女たちは、こうまでお金に汚いとは……。愛情もなにもあったものじゃない。夫を亡くした女が幸せそうに暮らしているのが妬ましいみたいです。私はお金の心配より、まずは心身の健康の方が大切でしたし、自分と娘の心の安定のためにも生活レベルは落としたくありませんでした」

愛する夫が急になくなった悲しみを抱えながらしっかり生きなければと思った華子さん。しかし漏れ聞こえてくる周囲の陰口にはがっかりした(写真人物は本文と関係ありません)Photo by iStock

幸い、長年にわたって仕事を続けてきた夫が遺したお金、また華子さんの独身時代の貯金もあり、これらを適度に使いながら、投資運用でお金に働いてもらうことを考えた。ただし、これまでの運用では、あまりいい経験がなかったという。

「主人が面白半分に金融商品を買って、損をしたことはいくらもあるんです。気に入って買ったけれど、600万円が200万円になってしまった株とかね。これまでいろんな証券会社のセールスの人と話したことがあるけど、皆さん、結局、自分では買っていないんです。そんなに勧めるなら自分で買うかというと、そうではない。銀行員だって、自分の銀行に預けていないし、保険会社の人も自分ではやっていない。自分が食べたことのないものをおいしいというみたいなもので、詐欺の顔はしていないけど、詐欺みたいなものですね。そもそもお金にうるさいくせに、購入を頼んだときに、手数料ががっぽり取られているのも知らない奥様も多いでしょう?」