9月 6日 SF作家・星新一誕生(1926年)

科学 今日はこんな日

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"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1926年の今日、SF作家の星新一(ほし・しんいち、1926-1997)が誕生しました。

 

星製薬を創業し「東洋の製薬王」の異名をとる父のもとに生まれた星は、東京大学大学院で農芸化学を専攻しました。卒業後は、父の会社を引き継ぎ社長に就任しますが経営はすでに傾きつつあり、最終的には会社を手放すことになりました。経営から手を引いた星はSF作家としての道を進み、1958年に短編集『人造美人』(のちに『ボッコちゃん』と改題)でデビューしました。

星新一は、原稿用紙数枚に収まるほど短い文字数の形式「ショートショート」の名手として知られ、生涯に1000作以上ものショートショート作品を残しました。活動を開始した1950年代後半はアメリカとソ連による激しい宇宙開発競争が行われた時代であり、彼の作品には宇宙人や高性能のロボットが数多く登場します。

星の作品で描かれた未来は、後に実現したものも少なくありません。オムニバス小説『声の網』は隠れた名作として知られていますが、そこでは電話一本ですべての仕事や用事が済んでしまう世界が描かれています。AmazonやZoomの普及によって買い物や日々の仕事がオンラインで済んでしまう現在の世界を予見していたようにも思えます。

星新一のショートショートは登場人物や国籍に関する固有名詞を可能な限り排していることが特徴ですが、これによって彼の作品は諸外国にも通じるニュートラルな普遍性を持つこととなりました。星新一の作品集はこれまでに20以上の言語に翻訳されています。