東大生が語る、ちょっとディープな美しすぎる数式の話

eをiπ回かける…ってどんな意味?
好評連載「現役東大生のサイエンス入門」。今回は18世紀の大数学者レオンハルト・オイラーの名がついた美しい公式についてお話しします。皆さんはこの数式の美しさを感じ取れるでしょうか?

世界一美しいと言われる数式

皆さんは「オイラーの等式」という数式を聞いたことはあるでしょうか。

「e^iπ + 1 = 0」と表される(^は累乗を表す記号として以下用います)数式なのですが、このアルファベットは一体何なんだとお思いの方もいるでしょう。

eはネイピア数でiは虚数単位、πは円周率を表します。

円周率π(=3.1415…)については円の面積の問題などで小学生の頃からよく見た数でしょう。虚数単位iというのは高校で習う数で、i×i=-1というルールがあります。最後にネイピア数eについてですが、こちらは指数関数に関するもので、やはり高校で習います。

指数関数というのは、例えば2^xといったような関数のことで、x=1、2、3と代入してみると2^1=2、2^2=2×2 =4、2^3=2×2×2=8となるように、2をx回かけたものを値として持ちます。

さて、あらためてオイラーの等式を見てみますと、eをiπ回かけたものに1をたすと0になる、というなんだかわけのわからないことを主張しています。多分読者の多くがよくわからないなと思っていらっしゃるのは「eをiπ回かける」というところでしょう。

実はこのわけのわからない計算は、指数関数の意味を考え直すことではっきりします(数学という学問ははっきりとしないものを根本から考えてはっきりさせる学問ですからね)

 

この意味については後で詳しく説明するとして、今はオイラーの等式の美しさを感じましょう。オイラーの等式には数学の3つの分野で現れる代表的な数全てが現れているのです。

eは指数関数(解析学)で発見された数、iは方程式(代数学)で重要な数、πは面積(幾何学)で古くから扱われた数です。eとπは、e=2.71828…、π=3.141592…と無限に続く数となっています。これら3つの数に加え、数学上大事な(ちょっぴり専門的ですが)乗法単位元1、加法単位元0の合計5つの数が1つの式で結びついています!

どうでしょう? 皆さんも美しさを感じられたでしょうか。