4年間の不妊治療を経て、台湾への転勤を機に、台湾での卵子提供による出産を決意した新垣りえさん。現地法人の社長業をつとめながらの育児はさぞかし大変かと思いきや、大変なところはありながらも、楽しく仕事と育児を両立しているといいます。それはなぜなのか。そこには台湾のめっちゃ明るい「他人力育児」がありました。
新垣りえさんの体験を漫画家・すぎうらゆうさんが漫画化。漫画とエッセイで「他人力育児」をお伝えしていきます。その第3回は、「他人力育児の象徴」ともいえる「月子センター」について。

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漫画/すぎうらゆう 文/新垣りえ

うらやましすぎる!「月子センター」

マンガ/すぎうらゆう

ハネムーンよりも夫の愛情の目安に!

妊娠中期に入った頃に、台湾人の友人から「出産して、月子センターにいた1ヵ月が人生最良の時間だった」と言われました。彼女によると、この期間の女性としての充実感や幸福感は、ハネムーン旅行での浮かれ感などとは比にもならないそうで、「どの位の値段の月子センターに入れてもらえるかで夫の愛情をはかりなさい」とも言われました。台湾の多くの女性がお世話になるこの月子センター、せっかく台湾で出産するのだから私もぜひ経験してみようと、昨年末に産後4週間ほどお世話になりました。

まずは「月子センターとは何か」ということからお伝えしていきましょう。

台湾では、母親は、産後1ヵ月をかけて肥立ちケアに専念すべきという「坐月子(ズオ ユエズ)」という概念があります。身体を冷やすような食べ物はダメ、重たいものを持ってはいけない、髪の毛を洗ってはいけない、目を使ってはいけない、薬膳スープを毎日飲んで血流を良くすべき、外出はもってのほか、など若干大げさに感じてしまう教えもありますが、要は、産後は母体の回復が最優先という精神が徹底されているということです。

昔は自宅で母親の実母かお姑さんが全てのお世話をしてくれたそうですが、近年では台湾でも核家族化が進み、月子センターという産後母子ケアの専門施設が登場して、そちらを利用する夫婦が増えてきたそうです。男性も、産後の母親は身体の回復に専念しなければいけないことは知っているので、自宅で「坐月子」の環境が整えられないのであれば、月子センターにお世話になるのは当たり前という感覚のようです。月子センターはとても人気があって、私は妊娠5週目にかろうじてエコーで胎嚢を確認できた段階で、看護婦さんから「月子センターどこにするかまだ決めてないの?早く申し込まないと良いところに入れないわよ。」と急かされた記憶があります。