新型コロナの影響で注目を集めている「マッチングアプリ」。スマホ一つで新たな出会いを探せるため、婚活の主流となりつつあります。

FRaU webでは、実際の取材に基づいた「アプリ婚活」のリアルを、共著作家の山本理沙さんと安本由佳さんによってノンフィクション小説としてお届け。アプリの「モテ技」テクニックも満載です。

主人公はコロナ禍で孤独を極め、本気でアプリを始めたアラサー男女。「結婚とは」「幸せとは」について見つめ直していくなかで、果たして二人はベストパートナーにたどり着けるのでしょうか?

【これまでのあらすじ】
同期に勧められアプリに登録した工藤直彦だが、なぜかまったくモテない。苦戦の中、留美とのデートにこぎつけるも余計な一言で大失敗。アプリの女王・さくらとは音信不通。おっぱい釣り女に暴言を吐かれ、Twitter婚活垢で晒されるなど散々なのだった。
これまでの連載「本気でアプリを始めたら」を読みたい方はこちら

「なんとなく」のアプリ婚活はうまくいかない

「アプリって、ほとんどはヤバイ女なんじゃないか……?」

夜になっても汗ばむテラスで、直彦は唸るように呟いた。

向かい合う淳也に「いきなりどうした」と問われるも、詳細を話す気にはなれず無言のまま俯く。

おっぱいに釣られマッチングした佳奈美に暴言を吐かれ、Twitter婚活垢の美緒から盛大にディスられた傷はしばらく癒えそうにない。

アプリを見るのも嫌になり、もう1週間以上放置したままだ。

「そうか?俺は理想どおり……いや、理想以上の女性に出会ってしまったけどなぁ」

事情を知らない淳也は、落ち込む直彦などお構いなしに鼻の下を伸ばしている。しかし友の冷たい視線に気がつくと慌てて真面目な顔を作った。

「アレだ。お前はアプリ婚活をナメてる。なんとなくじゃうまくいかないんだよ」

「別にナメてないけど。言われた通りにプロフィールだって変えたし……」

ムッとして言い返したが「そんなのは基本だ」とバッサリ斬られる。さらに淳也は「じゃあ聞くけど」と挑戦的に尋ねた。