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# 経済・財政 # 安倍晋三 # 政治政策

安倍首相が残した「ヒドすぎる置き土産」…アベノミクスの後始末やいかに

後継総理の責任はさらに大きい

結局、何も生み出せずに終わった

第97代内閣総理大臣の安倍晋三氏が先週金曜日(8月28日)、持病の潰瘍性大腸炎の再発を理由に辞意を表明した。

一見したところ、経済界や経済メディアは競うかのように、安倍総理の経済政策・アベノミクスが「景気回復を成し遂げた」と評価するコメントを出し、退任を惜しんでみせている。総理としては、見事に逃げ切った格好と言ってよいだろう。

しかし、アベノミクスは本当にそれほど評価すべき経済政策だったのだろうか。確かに、在職中の株価は日経平均株価が2.2倍に上昇した。これは特筆ものだ。だが、株価は先行きへの期待に大きく左右されるものだ。

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足もとの現実に目を移すと、実質GDP(国内総生産)は長らく実感のない低成長が続いてきた。さらに、コロナ・ショックに見舞われた2020年4~6月期の伸び率は3期連続のマイナスに沈み、年率換算した金額も第2次安倍政権発足前の水準に逆戻りした。

それにもかかわらず、費やしたコストは膨大だ。国の一般会計の歳出から税収を引いた赤字額は1.95倍に跳ね上がり、先進国最大の“借金大国”の座を不動のものにした。

在任期間が7年8カ月に及ぶ安倍政権の経済政策は、束の間のささやかな夢をみせるために借金を積み重ねて財政赤字を膨らませたにもかかわらず、結局のところ何も生み出さなかったのと同じと言わざるを得ない。

極め付きは、今後、その財政赤字が重い足かせになり、日本経済が長く苦しいゼロ成長やマイナス成長の時代に突入すると予測されていることだ。そのツケを回されるのは、次の政権に他ならない。

安倍総理辞任の実態は、本人の弁とはまったく別物だ。今週は、安倍退任劇は経済運営に失敗しての引責辞任に等しいという話をしておこう。