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収益モデルの大革命! 小田急とソニーが挑む最新ビジネスのからくり

「自社の利益最大化」戦略はもう終わり

MaaSとはなにか

それがどこへ向かうものであれ、移動するのは面倒なものだ。だが、仕事するうえでもレジャーのうえでも、「移動」がなくなることはない。

一方、移動にはコストや不便さもあり、それをいかに解決していくか、ということも重要な課題だ。そこで必要となる概念が「MaaS」(Mobility as a Service:モビリティ=移動のサービス化)だ。

電気自動車から鉄道、旅行業界まで、幅広い領域をカバーする概念だが、そこにどう取り組むかが、関連する業界に属する各社の戦略のキモになっている。

今回はそのMaaSについて、3つの視点から「どう取り組むことが、どのような社会の創出につながるのか」を考えてみよう。

「販売しない電気自動車」をつくるワケ

第1の視点は、ソニーのものだ。

ソニーといえば、テレビやカメラ、ゲーム機などの家電を思い浮かべる人が多いはずだ。事業でいえば、映画や音楽などのエンタメ、世界中のスマホやデジカメで使われる「イメージセンサー」の製造も大きい。

だが、そんな同社が今進めているのが「電気自動車(EV)」の開発だ。ソニーは今年1月、自社独自のEV「VISON-S」を開発中である、と公表した。以前の記事で速報したとおりだ。

VISON-Sは今も、日本とヨーロッパに分かれて開発中だが、7月末、そのうちの1台が日本のソニー本社に戻ってきた。筆者も短時間試乗したが、もちろんちゃんと走る。

【写真】ソニーが独自開発中のEV「VISON-S」ソニーが独自開発中のEV「VISON-S」。とはいえ、ソニーには自動車メーカーになる計画はない

EVを独自開発しているといっても、ソニーは決して、自動車メーカーになろうとしているわけではない。VISON-Sを市販する予定もない、と公表している。

ではなぜ、独自のEVを開発するのか?

開発責任者である、ソニー・執行役員 AIロボティクスビジネス担当の川西泉氏は次のように話す。

「車メーカーに対してソニーに何ができるか、自動車の進化にソニーがどう貢献できるのかを狙ったものです。携帯電話は、スマートフォンの登場でプラットフォーム化しました。自動車もEV化によって、ソフト制御の比率が大きくなっていきます。センサーで情報が収集され、サーバーで処理され、同期されて動作するわけですから」

そして「極論ですが」と断ったうえで、ソニーを代表するあのロボットの名前を出した。