あまりに複雑な「米中対立」、安倍辞任で大混乱の日本政府は生き残れるのか

ともかく日本は梯子を外されないよう
山本 一郎 プロフィール

この時期に安倍首相辞任とは

そして、ここに来て我が国・日本は安倍晋三さんの総理勇退という事態になってしまいました。後継の総理大臣が決まるまで執務は続けるとしつつも、ただでさえ当事者能力を欠いているいまの日本政府に、大きな事件でも起きようものなら身動きが取れなくなるのは必定です。

同盟国が勝手に隣の商売相手に喧嘩を売ってしまったりしたら悩ましいところになるのは当然のことで、うっかり尖閣諸島やサイバー事案などで偶発的な事象が起きた際に果たして本当に対処可能なのか分かりません。

安倍さん総理辞任のタイミングで我が国の政治的空白を見て、中国側が意図的に仕掛けてくる可能性も否定できませんし、かなり丁寧に状況を注視していないと局地的な事案が大々的な戦闘行為に発展しまいかねません。

あまりにも滅茶苦茶な状態のまま、今度は「日本も英語圏の諜報グループ『ファイブアイズ』の一員にならないか」とかいう、さらにハイブローな話が降ってまいりました。いわば「中国に煮え湯を飲まされてきた国同士、情報の連携を取ってしっかり対応していこう」という流れになるのは自然なことです。

ただ、我が国もアメリカやイギリスと肩を並べて情報戦でご一緒しましょうと言われても、日本国内の情報さえもきちんと把握できていない状態なのに、さて、これから何をやるのか、どう着手しようかというところから考えていかなければなりません。

しかも、アメリカからはほぼ名指しで政府中枢にいる中国のスパイの問題について明言されてしまっている状態で「これからは諜報の時代でございます」と力説したところで何のギャグなのかという話にすらなりかねません。

 

日本も、08年の中国での非公開裁判でスパイと名指しされた垂秀夫さんを今回、駐中国大使に大抜擢して世界的に面白がられる一方、官邸で文春砲を好き勝手撃っていた首相補佐官が、外交文書(親書)を勝手に書き換えて中国に送り、国家主席・習近平さんの国賓来日への道筋をつけてしまったという素敵な「事件」もあるなど、諜報の重要性以前に我が国の外交・当事者能力の微妙さ具合を他国に付け入られる怖れもあります。

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