文在寅の大誤算…恐るべき「不動産高騰」に、有効な手が打てない

「奥の手」を使ってみたけれど
高安 雄一 プロフィール

課題は山積

韓国の不動産価格は、過去に何度も急騰しており、政府が強力な政策でこの抑制を図ってきた歴史がある。以下では、不動産価格をマンション価格より過去にさかのぼることのできる「公示地価」(以下、「地価」とする)により、韓国の不動産価格の歴史を見ていこう。

1960年代に韓国で第一次経済開発5カ年計画が策定されて以降、地価の本格的な高騰が始まった。第二次産業や第三次産業による土地需要の増加に伴い、投機的な売買が発生したこともあり、地価が高騰した。1967年には土地売買差益に課税する土地投機抑制に関する特別法が制定されたが、1969年には物価上昇とともに地価が急騰した。

 

1970年代はじめには景気が後退したこともあり地価が落ち着き、不動産景気を浮揚させるため不動産税制が緩和された。しかし、1970年代後半に入り製品輸出や中東における建設需要による景気拡大により再び高騰が始まり、1978年には地価上昇率が全国で50%となり、ソウル市は136%に達した。1978年には土地取引の許可制などを盛り込んだ地価安定対策が講じられ1980年代までは地価上昇率は低水準で推移した。

1980年代後半は、好調な景気や経常収支黒字転換にともない通貨量が膨張したこともあり、再び地価高騰が発生した。1989年には地価上昇率が32%に達し、その前年である1988年には投機による利益に対する課税強化をはじめ強力な措置をとった結果、1990年代には大きく地価上昇率が低下した。そして2000年代に入り地価は再び高まり始めた。