〈「Digital Shift Times」より作成。元記事はこちら〉
美容師のコミュニケーションをサポート
──始めに御社が提供しているスマートミラー「ミラーロイド」について教えてください。
成田 ミラーロイドはヘアサロン業界における様々な課題解決につながるコミュニケーションツールです。ヘアサロンにあるあの大きな鏡にITを掛け合わせることで生まれました。

現在、美容師さんがお客さまへのサービス提供をする際の、コミュニケーションの補助ツールとしてご活用いただいております。例えば髪を切る前のカウンセリング時にヘアカタログを表示したり、施術中に動画やニュースを流したりできます。お客様を飽きさせないツールとしてもご利用いただいております。
また、写真や動画の撮影機能もあり、お客様の髪型を毎回保存しておくことができます。再び来店された際に、過去のデータを表示しながら「今日はちょっと違う髪型にしましょう」など、お客様にあわせたご提案できるのです。こうした体験を通して「この美容師さんはしっかり見てくれているな」と思ってもらえます。
スマートミラーと連動させる目的でスマホアプリも独自に開発しており、お客様は過去のデータを自分のスマホアプリに保存でき、確認できるようになっています。これは自分のヘア履歴の記録にもなります。また、スタイリストさんがどのようにスタイリングをしてくれていたかを動画で記録しておけば、家でスタイリングを再現するのにも役立ちます。
Pinterestとの連携、仕上がりのシミュレーションも
さらに、スマートミラーには画像検索機能も搭載しており、多くの美容師さんがヘアスタイルの参考画像を検索する「Pinterest」と連携しています。検索画面を表示しながらお客さまとコミュニケーションをとることも可能です。
撮影したお客様の写真にヘアスタイルを重ね合わせることで、仕上がりをより具体的にイメージしてもらうヘアシミュレーション機能も実装予定です。
基本となる髪型を指でタッチすることで、前髪を長くしたり、トップのボリュームを出したりと微調整も可能になります。美容師さんにとってはお客様とのイメージのすり合わせがぐんと楽になるでしょう。パーマをかける場合などに特に好評で、試験導入の際に高評価をいただきました。

ただし、このシミュレーションはお客様に喜んでいただくためのフックにすぎないと思っています。スマートミラーの狙いは、お客さまの満足度を上げ、顧客単価を高めることにあります。
日本の美容師のレベルは世界的にも高いレベルにありますが、価格競争もあり、安定して高収益を出せる美容室は多くありません。スマートミラーを通じて美容師業界のデジタルシフトに貢献し、美容師が提供できる価値を最大化したいと考えています。