世界に誇る「日本のキレイ」の「ものづくり」。
その主役たちの「スゴい、面白い、素晴らしい!!」を齋藤薫さんが渾身リポート
JAXURY CASE1/ポーラ
恐るべき独創性で、美を科学しつづけるパイオニア
ノーベル賞において、理化学系に日本の受賞者が目立って多いのと同じように、日本は化粧品開発の分野でも世界を圧倒するような研究力を持っている。昨今、「日本の研究力がどんどん低下している」という嬉しくないデータが密かにニュースになっていて、 実際、博士号を取る人や論文そのものの数が主要国の中で唯一、減少傾向にあるのは確か。しかし、研究力がモノを言う化粧品の世界で、日本はむしろ存在感を増していると言ってもいい。
一つの裏付けとして、70ヵ国以上が参加する化粧品研究のオリンピックとも言うべきIFSCCで、資生堂が7大会連続最優秀賞を受賞するなど、日本は権威ある国際的な賞でも実力を見せつけているけれど、資生堂に次いで、受賞回数も多く、しかも常にユニークな視点で注目を浴びてきたのが、ポーラなのである。
2017年、元旦。全国紙を飾った全面広告が話題を呼んだ。まるでマグマを思わせる燃えるようなオレンジのうねりの中に浮かぶポーラ リンクルショット メディカル セラム。研究から発売まで15年、日本で初めて厚生労働省が認可した“シワを改善する薬用化粧品”は、12週間で7割の人の目尻のシワが改善を見せ、シワの深さは最大34%改善すると言い切った。
その翌年コスメ市場はシワ改善コスメブームとなったが、ポーラのシワ改善処方は他とは全く違う、独自の研究による世の中にないものだったことで、ポーラの研究力はさらに注目されたのだ。
ともかくポーラの研究力はスピード感に加え、独創性が群を抜いている。それもシワ改善という極めてリアルなトラブル解消から、心と肌のつながりをエイジングケアに変える研究までと幅広いが、誰も想像しなかった人間の潜在能力にまつわる研究は、おそらく世界一だろう。
イメージに頼らない、常識にとらわれない、赤裸々なまでに人間の生体的な神秘を解き明かすワクワクするような発見を次々叶えているのだ。例えば、人間は「希望」という感情を持つと肌の真皮で弾力が生まれるといったような。
また「対人関係を良好に保つ顔立ち」を科学的に調査。「頬の扁平感」が最大のマイナス要因との事実に、頬を膨らます皮膚の支持帯に働きかけるといったような、ある意味奇想天外な理論を持った化粧品を立て続けに開発しているのだ。また“塗る美容“の限界を踏まえた“飲むエイジングケア”でも、既存の方法では全くない、脂肪細胞で若さにブレーキをかけている物質を抑制するという独創的なサプリ&ドリンクを発表している。
美容界は、意外にも保守的。ポーラの発見や提唱は斬新すぎて頭と心がついていかないという反応もあるほどだが、決して奇を衒ってはいない。浮き足立ってもいない。やはり化粧品会社として他とはスタンスが違うのだ。
ポーラは50年近い歴史を誇る“文化研究所”を持ち、古代からの化粧文化を学術的に探求してきた。美術館も所有し、文化の担い手としての顔も持ち続けている。美を文化と捉えつつも、同時にその美を妥協なく科学する事で未知なる可能性を切り開いてきた。
しかもポーラの視野は常に10年20年30年先にあり、そこにはいつも「全ての人が幸せに生きる」と言う壮大なテーマがある。まさしく人生100年時代に全員が幸せを感じられる美しさを、既成概念に囚われず、全身全霊で形にしているブランドなのだ。
その精神、なんとラグジュアリーなのだろう。まさに日本が誇るJAXURYの筆頭にあげたいブランドである。