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英国「大学合否判定コンピュータ」に生徒と保護者がブチ切れた理由

教育相の辞任を求める声も上がる始末で

教師がつけた成績をコンピュータが修正

コロナ禍で大学入試が実施できなくなった英国で、それに代わってコンピュータ・プログラムが生徒につけた成績が、混乱と困惑を招いている。

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例年なら、英国で大学進学を目指す生徒たちは「A-Level」と呼ばれる学力認定を受ける必要がある。A-Levelの正式名称は「General Certificate of Education Advanced Level(一般教育修了上級レベル)」で、中等教育の最終学年に達した生徒の学力が大学入学レベルにあることを証明する認定証だ。

A-Levelは全国一斉に実施される共通学力テストで認定されるため、事実上、大学の入学試験に等しい。合否判定に使われる要素は他にもあるが、基本的には、この学力テストの成績が良いほど、人気のある大学や学部に進学できる可能性が高くなる。毎年、夏に実施されるA-Levelの試験に向けて、英国の高校生たちは厳しい受験勉強に励む。

ところが今年は新型コロナの影響で、各地の試験会場に生徒たちを集めてA-Levelの共通テストを受験させることができなくなった。そこで英国の教育省は、今年に限って、2段階の複雑な選抜システムを導入した。

まず第一段階では、学校の教師が、生徒の日頃の学業成績などから、「もしも、この生徒がA-Levelの共通テストを受けたら何点取れるだろうか」と推定し、そこからA~Eの5段階の成績(グレード)をつける。この成績は、生徒と保護者らに直接通知される。

第二段階では、この教師の推定に基づく学力評価(成績)が「Ofqual」と呼ばれる英国の政府機関に伝達される。Ofqualは特定の省の管轄下にはない独立行政機関で、例年なら共通学力テストの監督・評価・認定などを担当している。

 

しかし今年はコロナ禍で共通試験が実施できなくなったので、その代わりにOfqualは特殊なコンピュータ・プログラムを開発し、それによって教師が予め生徒につけた成績を大幅に修正した。これが生徒や親たちの間で、激しい反発と非難を浴びることになった。