(筆者撮影、6月12日)

ミネソタ大学の日本人院生が見た「フロイド事件」とその後の風景

「こんなことも起こりうるのか」と思った

ミネアポリスに住む日本人の視点から

「今日の夕方5時に抗議が行われるぞ」

現地時間の5月26日、アメリカの大学院でサマーブレイクを迎え一息ついていたところ、研究仲間から突然WhatsAppでメッセージが届いた。

彼が添付したリンク先にはCBS NEWSの記事があり、白人警察官がジョージ・フロイド氏の首を膝で押さえつける動画が流れていた。情報交換をする同期の友人らのやりとりに参加しつつ、筆者は興味深くグループチャットを眺めていた。

(筆者撮影、5月30日)

もはや周知の事実となっている通り、現地時間5月25日に偽造紙幣を使用したとの容疑で雑貨店の店員の通報を受けて駆け付けたミネアポリス市警の警察官によって黒人男性であるジョージ・フロイド氏が殺害されたことが事件の発端である。

その後、ブラック・ライブズ・マター(以下BLM)の名の下に当市で始まった抗議活動は全米そして世界中に拡散することになった。

 

今回の事件とBLM運動に関しては、既にアメリカ研究の専門家による優れた解説がなされている。しかし、運動が全国化するにつれて報道の焦点が西海岸や東海岸に移り、あまり知られていなかったミネアポリスの様子がさらに後景へと退いたようにも感じられた。

本稿ではミネアポリスに居住している一日本人の視点から今回の事件の進展を振り返り、筆者の個人的体験を読者と共有することにしたい。遅きに失している感は否めないが、出来事の理解の一助となれば幸いである。なお、本稿はミネアポリス在住日本人の見解を代表しているわけでは決してないことを予めお断りしておきたい。