お笑いコンビ、フォーリンラブのバービーさんが、ひとりの芸人として女性として日頃感じる「言葉にならないモヤモヤ」に向き合い、自らの言葉でズバッと本音を綴っているFRaU web連載「本音の置き場所」(毎月1回更新)。
前回の記事でお知らせしましたが、バービーさんの連載「本音の置き場所」が、読者からのコメントや反響を受けて、2020年11月に単行本として発売されることが決定しました。ネット書店での予約も受付が始まっています。
連載9回となる今回は、バービーさんが取り組んでいる故郷の北海道栗山町の「町おこし」について、大学進学のために上京し、現在の生活拠点である「東京」について綴っています。「地元と東京」それぞれで暮らし、携わることで今感じていることとは?
東京の「価値一極集中化」への想い
生まれ故郷の町おこしに携わって早4年。私はまさに今、重くじわじわくる挫折を味わっている。
小さな頃、ディズニーランドにはあんなにたくさん人がいるのに、ディズニーランドより広いこの土地には、どうして人がいないんだろう? と不思議だった。上京してモノレールの中から初めて高層マンションを見た時、地元にはあんなに空き地があるのに、どうして東京の人はこんな小さな箱みたいなマンションに住んでいるのだろう? と訝しんだ。立ち並ぶ高層マンションが、私にはまるで、アリの飼育キットのように見えた。土地に対してこれだけ高いお金を払うなんて、馬鹿馬鹿しいと思った。
上京して18年、今となれば、そこまでしても住む価値のある『東京』なのだとわかる。それでも、このいびつで異常な人口比、東京の価値一極集中化を「仕方のないこと」だとは思わなかった。
余っているところから、不足しているところへ運べばいいのに。
世話下手なくせにおせっかいなところがある私は、需要と供給がパズルのように上手くピシッとハマることに快感を覚えるタイプだ。
これが、私が地元・北海道栗山町の町おこしに携わりたいと思った本質かもしれない。