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日本はなぜ世界で唯一の「無法」国家なのか? 被爆国に問われる責務

9条があるから大丈夫、ではない!

オバマの戦争

覚えていらっしゃるでしょうか? 

2016年に、オバマは、現職大統領として初めて広島を訪問しました。安倍首相と並んで記者会見をしたのですが、その時のアメリカの女性記者がオバマに向けた辛辣な質問。アメリカのメディアは、日本のみたいに“やらせ”の受け答えはしませんからね(安倍首相への質問はNHKの女性記者でした)。それは、今でも続くアフガン戦のことだったのです。

2016年、広島を訪問したオバマ大統領2016年、広島を訪問したオバマ大統領〔PHOTO〕gettyimages

この数日前、アメリカ軍が、アフガン戦争での敵タリバンの新しいトップだったマンスールをパキスタンとの国境付近で無人爆撃機の空爆で殺害したばかりだったのです。

記者はそのことを取り上げて、「あなたが終わらせることができないこの戦争を、こういう形で次の大統領に引き継ぐのか?」と。

アメリカ大統領として初めて訪れた広島で、初っ端の質問ですよ。日本の視聴者には、何が何だか分からなかったでしょうが。

軍事的な勝利があげられない中で、アメリカは、アフガニスタンのタリバンと政治的な和解をずっと試行錯誤していたのです。もうこれ以外には、この泥沼化した戦争の打開策はなかったし、トランプ大統領に引き継がれた今も、ありません。だからこそ、この女性記者の、それも広島訪問という場所での、この質問だったのです。

 

しかし、首謀者のリーダー格を殺害し続けることしか、大統領としてアメリカ国民に顕示できる「戦果」がないのです。政治的和解の交渉には、相手の指揮命令系統を温存し、常にそのトップと交渉しなければならないのに、これを壊すと相手側の構造が無秩序となり、交渉どころではなくなります。こんな簡単なことが分かっていても、「ドローン攻撃」をやるしかない。まさに堂々巡りです。

米軍のドローン攻撃機。アフガニスタン南部のカンダハル飛行場にて米軍のドローン攻撃機。アフガニスタン南部のカンダハル飛行場にて〔PHOTO〕gettyimages

結果、相手の指揮命令系統が破壊され、かろうじて保たれていた秩序が喪失し、首を失った蛇が暴れるように、下部組織がどんどん分派し、派生し、過激さを競うように、わけのわからない連中が出てくる。この泥沼…。