# 飲食店

なぜ、私は「好立地のラーメン店」で1000万円の損失を出したのか

元レスラーの店主が当時を振り返る
今年でオープンから24年目を迎えたステーキハウス「ミスターデンジャ―」。行列が絶えないこの人気店を経営するのは、著書『オープンから24年目を迎える人気ステーキ店が味わった デスマッチよりも危険な飲食店経営の真実』(ワニブックス)を刊行した、元プロレスラーの松永光弘氏だ。一見、順風満帆に見える松永氏だが、新規事業に失敗し、大損失を被ったことがあるという。一体、何が失敗の原因だったのか? その「失敗の本質」に迫る。

人間、どうしても欲が出る

前回記事で詳しく述べたチェーン展開の頓挫は私にとっていい勉強になった。

まだまだ経営者として、実業家として甘いな、ということがわかったし、「今後は立花本店一本でやっていくことがいちばんいい」という結論に達した。

その後も『ミスターデンジャー』を名乗る店が都内にいくつかあったが、「フランチャイズが支払い不能になると、すべての請求は本店に来る」という恐怖は二度と味わいたくないので、各自で仕入れと支払いをしてくださいね、というシステムに変えた。

看板料的なものも特にもらっていなかったが、ある程度、経営が安定して、もう大丈夫ですよね、という状況になったら、そこではじめて「看板料を払ってください」という話をすることにした。もし払いたくないのであれば『ミスターデンジャー』の看板を下ろしてください、とも伝えた。

そうこうしているうちに立花本店は行列のできる繁盛店に成長していった。

まさに「この店だけやっていればいい」が大正解だったのだ。

しかし、人間、どうしても「欲」が出る。

気がついたら「ステーキ屋はこの店だけやっていればいい」という事業計画は自分の脳内で都合よく変換し、別の外食ビジネスに手を伸ばしていた。

 

それはラーメン店。

しかも1日に600人が押し寄せる行列店だ。

今度は自分がフランチャイズの傘下に入って、リスクを回避する形での開業となった。