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背負った借金900万円! 元レスラーが「フランチャイズ展開」で見た地獄

「本部丸儲け」まではよかったのに…
松永 光弘 プロフィール

転んでもただでは起きない!

私の読みよりも1トンも多い発注。

気持ちはわかるのだ。

もし水道橋店が超人気店となったとき、肉の在庫がなくなってしまったら、せっかく来てくれるはずだったお客さんをみすみす逃し、その分、稼ぎもドーンと減ってしまう。そんな想像というか「妄想」でいてもたってもいられなくなってしまうのは、もう経営者としての性といってもいい。

特にウチで使っているハンギングテンダーという部位は、アメリカの商社に発注して仕入れるので、2カ月前には注文しなくてはいけない。

だから「足りない!」となっても、すぐにどうにかなるものでもない。

そんな事情もあって、思わず焦って追加発注してしまったのだろう。私は過去の経験から、3トンあれば十分だ、と念を押したのに。

案の定、1カ月で使用した肉はやはり3トン弱。つまり1トンもの肉が余ってしまったのだ。

ハプニングはそれだけでは終わらない。

なんと翌月も私の読みよりも1トン多い量の肉が発注されていたことが発覚。水道橋店はオープンからわずか2カ月で2トンもの肉を余らせてしまい、その時点ですでに400万円も資金がショートする事態に陥っていたのだ。

ここから先のドロドロした人間関係の話は、あえて詳しくは書かない。しかし、私は水道橋店の共同出資者に名を連ねていたので、900万円の借金を抱えてしまうこととなった。

ただ、転んでもただでは起きない。

水道橋店をオープンするときに知人のすすめもあって、立花本店のすぐ近くにチェーン店全体の事務所を構えることとなった。

 

結局、本来の使い道ができなくなってしまったため、その事務所を立花本店の作業場にしてしまったのだ。

肉の倉庫兼仕込み場、である。

これで仕事の効率が大幅にアップし、なおかつ店のスペースも広がったので、その分、客席を拡大。ケガの功名で立花本店の売り上げはアップした。これぞデンジャー魂だ。