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背負った借金900万円! 元レスラーが「フランチャイズ展開」で見た地獄

「本部丸儲け」まではよかったのに…
松永 光弘 プロフィール

「おいしい話」はそうそうない

話を戻そう。

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チェーン展開をするとき、私がやらなくてはいけないことは、各店舗で出すハンバーグを立花本店で練り上げること。それを本部から各店舗に納入する、というシステムがとられることになった。

その作業で私には報酬が発生する。

ハンバーグを3キロ捏ねると、2500円。

4回捏ねれば1万円だ。

それを毎日やれば、30万円になる。

店の売り上げとは別に、サラリーマンの月収ぐらいの報酬がもらえるのだから、こんなにおいしい話はない。チェーン店が増えれば、当然、捏ねる回数が増えるし、どんどん金額は膨れ上がっていく。

「これが飲食業界で有名な『本部丸儲け』システムか!」

こうなると、もう笑いが止まらない。

フランチャイズということは各店舗からフランチャイズ加盟料も入ってくる。

完全にステーキ店の店主から「実業家」に頭の中は塗り替わっていた。

しかし、そんなにおいしい話なんてないのである。

たしかに「本部丸儲け」のシステムは存在したが、その逆もしっかりと存在していたのだ。

それはフランチャイズ店が経営に行き詰まり、各方面への支払いが滞ってしまったとき、すべての請求は本部……つまり私のところに来てしまうのだ!

当たり前といえば当たり前だが、おいしい話を持ってくる人は、そういう危険な部分については、ぼんやりとしか教えてくれない。また、私も完全に目先の利益で頭がいっぱいになっているから、そういう落とし穴にまんまとひっかかってしまうのだ。

落とし穴はまだあった。

 

水道橋店がオープンするとき、「肉の注文をどうしようか」という話し合いを持った。私は過去の経験則から本店、四つ木店、水道橋店の3店舗で3トンもあれば足りる、と計算して、それで注文することになった。

ここで水道橋店の店長が暴走する。

あとから業者に連絡して、1トン追加発注していたのだ……。