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背負った借金900万円! 元レスラーが「フランチャイズ展開」で見た地獄

「本部丸儲け」まではよかったのに…
今年でオープンから24年目を迎えたステーキハウス「ミスターデンジャ―」。行列が絶えないこの人気店を経営するのは、著書『オープンから24年目を迎える人気ステーキ店が味わった デスマッチよりも危険な飲食店経営の真実』(ワニブックス)を刊行した、元プロレスラーの松永光弘氏だ。今でこそ順調だが、かつてはフランチャイズ展開に失敗して、大損失を出したこともあるという。当時を振り返ってもらいながら、「失敗の本質」に迫った。

なぜ私は大損失を出したのか?

オープンから大盛況期を経て狂牛病騒動を乗り切るまでのあいだ、私はビジネス展開に失敗して、大きな損失を出している。

それも一度だけでなく、二度も。

まず一回目(二回目の大損失については次週の記事で述べる)。

店が軌道に乗ってきたところで「『ミスターデンジャー』をチェーン展開しませんか」という声がかかるようになった。

私が墨田区立花で経営している店を「立花本店」として、都内に数店舗、フランチャイズ店を展開していこう、という儲け話だ。

話を聞いたところ、あまり私に負担はかからなさそうだったし、一店舗だけでは、どんなに繁盛しても儲けには限界があるので「やってみましょうか」と、その話に乗った。

最初にできたのは葛飾区の四つ木店、その次に千代田区の水道橋店。

水道橋といえば、「格闘技の殿堂」と呼ばれる後楽園ホールがある。お正月の1月4日には新日本プロレスが東京ドーム大会を開催する、いわば「日本でいちばんプロレスファンが集まる街」である。

そこに元プロレスラーの店ができたら、単純に繁盛するだろうと考えていたのだが、そのときは肝心なことに気づいていなかった。

 

それは「プロレスの試合がないときは、プロレスファンが水道橋に来ることはない」「プロレスの試合があるときは夕方6時から夜10時ぐらいまで、みんな試合を見ているから店には来ない」「新宿まで電車で一本だから、食事のあとにお酒を飲もうと考えている人は歌舞伎町へと直行してしまう」ということ。

のちに「水道橋に店を出したい」とプロレス関係者に相談されたときは、この3つを挙げて「だからおすすめしない」と忠告したが、『ミスターデンジャー水道橋店』は、それでも堅実にやっていれば、まだなんとかなった。ダメになってしまった理由はのちほど書くが、もっと根本的な部分にあったのだ。