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なぜ中国に勝てないのか?日本が「ベンチャー大国」になれない本当のワケ

失敗を「悪」と考えるな
永井 竜之介 プロフィール

国を挙げてベンチャーを支援

中国が「世界の工場」と呼ばれたのは、今は昔の話だ。現在の中国は、世界の生産拠点でありながら、ベンチャー企業群が最先端のデジタル・イノベーションを輩出していく「ベンチャー大国」になっている。中国がベンチャー大国に変貌を遂げた一因として、国を挙げたバックアップ体制がある。

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1980年から2010年まで、10%を上回る高度成長を続けた中国だったが、2010年以降は一桁台に落ち着きを見せた。そこで、「新常態」と名付ける安定成長へ方針転換して、より質と効率を重視するビジネスを奨励していくようになった。

その象徴が、2015年に掲げられた「大衆創業、万衆創新(大衆の創業、万人のイノベーション)」である。ベンチャー起業とイノベーション創出の「双創(2つを創り出す)」を、国の重点領域にしているのだ。

首都・北京には、全国に開設された起業・イノベーション拠点の1/6にあたる20拠点が集中している。なかでも中関村地区は、北京市政府の主導によってイノベーションエリアとして改革が進み、ITベンチャー、VC、インキュベーション施設などが集積する「北京のシリコンバレー」へと変貌を遂げた。

 

また、産学連携を活用した大学ベンチャーも数多く生みだされていっている。もともとシリコンバレーは、スタンフォード大学との産学連携や、卒業生の起業によって形成されていったベンチャー集積地である。

それと同様に、政府主導で清華大学、北京大学、中国科学院などに40以上のファンドが設立され、140億元(約2,400億円)以上の資金が大学ベンチャーに注がれている。