路上エデュケーターたち

「自己責任化」された子どもを救う「路上エデュケーター」という仕事

フランスの「届ける福祉」とは?

自己責任化されている子どもたち

SNS関連のトラブル、不登校、引きこもり……これらはある日突然起こるものではない。子どもたちの置かれた環境、それぞれの抱える悩み、様々な要因が関連し合う中で芽が育ち、起きている。

筆者が今年都内の大学で福祉を学ぶ学生120人におこなったアンケートでは「10代で自分や周りの人が経験した悩み」として上位5位は「人間関係、いじめ・嫌がらせ、家庭・親・反抗期、進路・将来、恋愛」だった。親や学校に相談しやすい悩みではない。

回答の中には「学校や家族に悩みを言えず相談機関も利用しづらかった」というものや、「大人との間にとてつもない距離がある」というものもあった。

〔PHOTO〕iStock

子どもたちの育ちを見守る体制は大きく家庭と学校の二つに依存しており、それでは子どもたちの要求に応えきれているとは限らない。福祉も学校もあっても、それらを希望しない子どもにとっては容易に距離が取れてしまう。

日本でも「子供たちと『支援』を結びつける事業・連携体制の整備」などの取り組みが進められ「地域全体で子供を育む環境づくり」にも予算が割かれるようになってきているものの、子ども・若者自身で選び利用できるサービスはまだそう多くない。「子どもと親・子どもと学校・子どもと職業」をつなぐ役割が不足している。

 

「自己責任化されている子どもたち」と言えるかもしれない。自己責任だと、大きな問題に発展させてしまったり、困難を乗り越え生きていくための道具を十分与えられないまま成人を迎えることさえある。

フランスで子どもの周りに「頼れる大人」「話せる大人」を配置する様々な取り組みがある中で今回は「路上エデュケーター」について紹介したい。「届ける福祉」の一つの姿だ。