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李登輝の遺志はどこへ? 安倍「非台湾寄り」政権では日米台共に沈む

中国を前に自由と独立を守ることの意味

大きな死、大きな足跡

ご存じのように、7月30日、台湾(中華民国)の元指導者で、初めて選挙によって国民に選ばれた総統であった李登輝が97歳で亡くなった。

彼の死は台湾にとって大きな損失であっただけでなく、日本、インド太平洋地域、そして世界の民主主義国家にとっても大損失となった。

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李登輝は、真の為政者であった。台湾に民主主義をもたらした男でもあった。彼の人生は、そのドキュメンタリーの題名のように「哲学者王」でもあった。

そして李登輝は、同時に、おそらく世界で最も偉大な「綱渡り芸人」だった。

彼が生まれる28年前の1895年に、彼の出身地の台湾を統治下においた日本との関係をはじめ、学問と軍、研究と政府、共産党と国民党、自立と外圧、台湾とアメリカ、民主主義と独裁政権の間で歩く必要があったからだ。

 

そして、彼は見事なバランスでこの綱を渡り切り、世界中から最大級の尊敬を集めた。台湾の人々をはじめ、台湾を応援する私たち国外の支援者にとって現在の最大の課題は、李元総統個人に対してだったこの尊敬を、彼が残した民主主義国家に対するものとすることだ。