大学入試改革の深き闇…「Japan e-Portfolio」中止騒動がキナ臭すぎる

ベネッセに「再委託」が行われていた
田中 圭太郎 プロフィール

今年に入ってからは、新型コロナウィルスの影響によって休校期間が生じ、学校の行事や部活動はほぼできない状況が続いた。そして8月に入って「JAPAN e-Portfplio」の運用中止が決まった。結局、調査書はこれまで通り教員が書いて紙で提出することになる。

「今年は新型コロナウイルスの影響で、調査書どころではありません。一般入試に調査書を導入することもそぐわないと思います。教育情報管理機構の運営許可取り消し自体は冷静に受け止めていますが、本来は調査書強化も含めて、すべてがあり得ない話です」

 

失敗の責任はどこにあるのか

大学入試改革の3本の柱ともいえる大学入学共通テストの記述式問題と英語民間試験、それに調査書強化に伴うJAPAN e-Portfolioの導入には、いずれもベネッセが関与していた。

共通テストの記述式問題は、ベネッセグループの企業が2024年までの採点を61億円で受注。採点に学生アルバイトが関与する可能性があるなど、公平な採点ができるのかが疑問視され、導入見送りが決まった。

英語民間試験は、8つの企業が提供する試験を活用する予定だったが、家庭の経済的な状況や、居住している地域によって不公平があるとして、2024年からの導入に先送りされた。ベネッセの検定試験「GTEC」も、活用される試験の一つだった。

調査書の活用強化では、前述の通り、JAPAN e-Portfolioの運用はベネッセに再委託されていた。再委託自体は問題がないというのが文科省の見解だが、同じIDシステムを使用しているClassiは、今年4月に120万件の個人情報に不正アクセスがあったことを発表し、通信トラブルも発生した。さらに、不正アクセスによって情報を漏洩していたことを明らかにしたのは8月に入ってから。現在、学校や保護者あてにお詫びが配布されている。

Classiのお詫び文書
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