大学入試改革の深き闇…「Japan e-Portfolio」中止騒動がキナ臭すぎる

ベネッセに「再委託」が行われていた
田中 圭太郎 プロフィール

振り回された高校の現場

教育情報管理機構に対する運営許可が取り消されたことで、「JAPAN e-Portfolio」の運用はストップする。来年の大学入試では「JAPAN e-Portfolio」は導入されないのだ。

しかしこの3年間、受験生や高校の教育現場は「JAPAN e-Portfolio」への対応に振り回された。これまでの調査書は1枚の紙が基本で、表に学習の記録、裏に部活動や資格などを教員が記載していた。それが改革によって、枚数制限がなくなり、課外活動をより詳しく記入する必要に迫られた。

〔PHOTO〕iStock
 

その際に、高校生活を日常的にデジタルで記録し、データを電子化して調査書を作るのを助けるシステムが「JAPAN e-Portfolio」だった。ただし、活用するためには生徒の活動をデジタルで記録する必要がある。都内の高校教諭は、3年前のことをこう振り返る。

「現在の3年生からJAPAN e-Portfolioを使わなくてはならないとわかった3年前は、大変混乱しました。教員も生徒も手間が増えます。そこで学校全体で導入されたのがClassiでした」

Classiは、高校生活をデジタル上で記録できる有料のシステムで、ベネッセとソフトバンクが立ち上げた。Classiと「JAPAN e-Portfolio」はベネッセの同じIDシステムを使っていることから、連携できることがメリットだとうたわれた。Classiのホームページによると全国2500の高校に導入され、116万人が利用しているという。高校生が3人に2人が使っている計算だ。

前出の教諭が勤務する高校では、よくわからないままトップダウンでClassiを学校全体で使用することになった。しかし、なぜ民間の、しかも有料のシステムを調査書のために使わなくてはならないのか、ずっと疑問に思っていたという。

「学校全体でClassiを導入することが決まったのですが、大学が調査書を本当に一般入試で活用するのかどうかはまったくわかりませんでした。それなのに、一企業が受験生のデータを握ることに疑問を感じていました」

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