大学入試改革の深き闇…「Japan e-Portfolio」中止騒動がキナ臭すぎる

ベネッセに「再委託」が行われていた
田中 圭太郎 プロフィール

活用する大学はごくわずか

7月22日に開かれた衆議院文部科学委員会。萩生田光一文部科学大臣は、教育情報管理機構の決算状況を非公開で審査していたことを明かし、次のように答弁した。

「このたび(教育情報管理)機構から、令和元年度の決算報告の公告があったことを受けて、大学入試選抜における多面的評価のあり方に関する協力者会議において、必要な資力を有しているかどうかの確認など、運営許可の継続の可否などについて非公開で審査が行われてきました。

協力者会議においては、機構の財務状況を不安視する意見が多く出されたとのことであり、文科省としては協力者会議のご意見をふまえ、今後運営許可を取り消す方向で、運営許可が取り消された場合の事業停止に伴う必要な対応についての機構との調整や、利用者の登録データの取り扱い等について、高校関係者との調整等々をいま行っているところです」

わかりやすく言えば萩生田大臣は、教育情報管理機構の財務状況が芳しくないことなどを理由に、「JAPAN e-Portfolio」の運営許可を取り消す方針を明らかにしたのだ。

萩生田文科相〔PHOTO〕Gettyimages
 

教育情報管理機構は、入試で「JAPAN e-Portfolio」を活用する大学からの会費と、受験生の情報を大学に提供するデータ利用料を主な収入とする。2019年度は会員が34大学しかなく、5500万円の赤字だった。

しかし、収益が見込めないのは、2020年度も同じだった。大学入試で「調査書の強化」という方針が正式導入されるにもかかわらず、会員が増えていないのだ。文科省によると、今年、会員になっている大学は30大学に満たないとみられる。そもそもほとんどの大学が会員になっていないという状況自体が、この改革の深刻な現状を示していると言えるが、ともあれ、同機構の赤字が改善される見通しは立っていない。

そして8月7日、文科省は『「JAPAN e-Portfolio」運営許可に係る審査結果』を公表。
教育情報管理機構が債務超過に陥っていること、運営許可の要件を満たしていないことから、正式に運営許可を取り消した。こうして「JAPAN e-Portfolio」の大学入試での導入自体が見送られたのだ。

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