萩生田光一文科相〔PHOTO〕Gettyimages

大学入試改革の深き闇…「Japan e-Portfolio」中止騒動がキナ臭すぎる

ベネッセに「再委託」が行われていた

ギリギリでの方針転換

現在の高校3年生から実施される大学入試改革。これまでのセンター試験にかわって始まる「大学入学共通テスト」の英語民間試験と記述式問題の導入が見送られるなど、混迷を深めているのは周知の通りだ。

さらに8月に入って、改革のもう一つの柱ともいえる「調査書の活用強化」にも、大きな「事件」が起きた。「調査書の活用強化」のために利用されるはずだったシステム「Japan e-Portfolio」の導入見送りが決まったのである。

「調査書の活用強化」というのは、受験生の「主体性等」を適切に評価するため、高校から提出される調査書(いわゆる「内申書」をイメージしてもらいたい)を、従来よりも重視して合否を判断するもの。その際に調査書を電子化して出願するのに利用されるはずだったのが、一般社団法人教育情報管理機構が運営する「JAPAN e-Portfolio」というシステムだった。

JAPAN e-Portfolioのウェブサイトより
 

そもそも「調査書の活用強化」は、受験生と教員の負担が激増することが当初から懸念されていたのだが、さらに今年に入ってさまざまな問題が噴出し、8月7日、ついに文部科学省(以下、文科省)は教育情報管理機構に与えていた「JAPAN e-Portfolio」の運営許可を取り消した。その結果、「JAPAN e-Portfolio」の導入も頓挫したのだ。

なぜ入試まで半年を切ったこんなギリギリの時期に、これほど大きな方針転換が起きたのか。方針転換に到るまでの経緯に関しては、記述式問題などと同様に、ベネッセホールディングス(以下、ベネッセ)との関係も問題視されている。「JAPAN e-Portfolio」の頓挫の経緯と、問題点を改めて考えてみたい。