出べそ手術、へそ格差、へそ責め愛好家……へそは実に奥深い

あなたの知らない「へそ学」の世界(2)
岡田 忠雄 プロフィール
 

女子大生の「へそコンプレックス」

ところで、コンプレックスとは人と比べて自分のここがだめだとして、「人と比べて私はここが可愛くないとかよくないと思う」ことです。

容姿コンプレックスで見てみると、人は褒められれば褒められるほど自己肯定感が上がり、その人からもっと褒めてもらいたくなります。人は報酬をくれる人になつく習性があるからです(神岡真司、アブない心理学、青春出版社)。

では、実際に女子大生では、へそコンプレックスをどのように感じているのでしょうか。

実際に「へそコンプレックス」を感じた者はわずか1人(1.6%)でしたが(図)、その1人は自分のへその形についてストレスや劣等感を感じ、自分のへそを他人に見せることに抵抗があるとしていました。

女子大生の4人に1人はへそを他人に見せることに抵抗がある

コンプレックスまではとはいいませんが、「へそを他人に見せることに抵抗がある」人は16人(26%)と、女子大生の4人に1人もいました。その対応として、へそはパンツの中に隠れた方がよい(いわゆるパンティーラインの中に隠れる)としている人は4人(6.6%)でした。

 

出べその手術を志願する子ども

へそをパンツの中に隠すことは、へそコンプレックスに対する防御行為になりますね。

このへそコンプレックスを子ども自らが訴えた経験が2度ほどあります。

一つ目は、出べその手術では、ご両親(特に母親)が外見上の問題から手術を希望されることが多いのですが、友人に「へその形が違う」といわれ、その子がつらい思いをしたことで手術になりました。

二つ目は、出べその子ども自らが、自分の出ているへそを引っ張り面白がっていたのですが、そのうちに、出ているへそが嫌になったのです。 これらの子ども達は、私のへそとあなたのへその違いとしての「へそ格差」から生じたへそコンプレックスを感じていたのです。

一方、へそコンプレックスがなくて、きれいなへその形は自己肯定感を高めると答えたのは16人(26%)と、4人に1人でした。きれいなへそは自己肯定感も高めて、自信を持って人生を過ごせることにつながるかもしれません。

 

美へそとは何か

著者は子どものへその手術を約700例以上行ってきました。へその診療中に感じたことは、ご両親(特に母親)の我が子に対するへその形、特にへその陥没の程度に、強いこだわりがあることでした(第1回の「へそモンスター」参照)。

へそは美しくあってほしい「へそ愛」(著者造語)が故の母性愛といってもよいものでした。では美しいへそ、美へそとは結局、どのようなへそなのでしょうか。

そのヒントになるものとして平均顔仮説があります。

「美人顔やハンサム顔はどのような特徴があるのだろう」を検討したのはフランシス・ゴールトン(1822~1911)でした。アナログの顔写真を重ね焼きすると個人ごとの特徴は互いに打ち消しあって、顔はそんどん平均的なものとなっていく平均顔仮説です(心理学ビジュアル百科、越智啓太編、創元社)。

近未来「AIへそワールド」のAI活用により、平均へそ仮説(著者造語)が証明され、数多が満足する「平均へそ」としての美へそが明示されるかもしれません。