第5話は最高視聴率を記録!『半沢直樹』は「2部への谷」をこうしてクリアした

1クールの連ドラを二部構成にするリスク

堺雅人主演『半沢直樹』の第5話が、世帯視聴率25.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という令和のドラマ最高視聴率を記録した。

実は第5話は、『半沢直樹3 ロスジェネの逆襲』が原作の第1部(4話)を受けた、『半沢直樹4 銀欲のイカロス』が原作の第2部の初回だった。いわゆる“第2部への谷”と言われる、視聴率をとりにくいはずの回。ところが今回の『半沢直樹』は、この難局を楽々と超えてきた。

その強さの秘密を、視聴データから追ってみよう。

TBS『半沢直樹』HPより
 

多くのドラマが経験する2部の難所

“第2部への谷”の難しさは、多くのドラマが経験している。

最終回の視聴率が42.2%と、民放一般劇の歴代2位という金字塔を打ち建てた『半沢直樹』(2013年版)ですら、第1部ラストと第2部初回の視聴率は共に29.0%と、シリーズを通して唯一足踏みをした回だった。

実はこうした二部構成での難しさは、同じ池井戸潤原作の『下町ロケット』でも同じだった。ロケット編とガウディ編に分かれた15年版では、第2部初回は第1部の最終話より2.4%下がってしまった。またゴースト編とヤタガラス編に分かれた18年版では、第2部初回は何とか上昇したが、その幅は0.4%と微々たるものである。

リスクがありながら1クールの連ドラを二部に分けるのは、一定のメリットがあるからだ。

例えば「物語が濃密で、テンポも早く、視聴者を飽きさせない」「クライマックスが2つとなり、視聴率をとりやすい」「途中で脱落した視聴者を、呼び戻す機会となる」などが挙げられる。

だが、前半ラストの盛り上がりの反動で、再出発は苦戦しがちだ。新たな物語の立ち上げでは、状況説明も多くなる。展開が仕切り直しとなる分、前半ラストのボルテージを一旦下げざるを得ない。視聴者に「一息ついた」と思われてしまい易いのである。

そのような状況にありながら、今回の『半沢直樹』第2部の初回は、第1部のラストから2.6%増と華麗なテイクオフを見せたのだ。