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定年後に愕然…3500万の住宅ローンで「老後破産」した夫婦の地獄

「オーバーローン」に要注意

憧れの住宅を手に入れた

関東近県に住むSさんは、現在63歳。38歳の時に当時の新興住宅地に新築の注文住宅を買った。

当時、この新興住宅地周辺に新駅ができるという噂があり、とても人気の物件だった。購入希望者が殺到し、購入が抽選で行われるほどだった。Sさんは高い倍率を勝ち抜き、見事希望していた角地を抽選で引き当てた。

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売買代金は6000万円。親からの援助もあり、頭金は2500万円を入れて、住宅ローンは3500万円を35年で組んだ。普通に支払いを続ければ、73歳で返済が終わる。

金利は3%だったが、当時の金利としては安く、月の返済は14万5000円。妻のパート収入もあったので、仕事をしていれば無理なく払える金額だった。心配は要らない、このままきちんとローンを払い続けていれば何の問題も起こらない――そう信じていた。

状況が変わったのは60歳で定年を迎えた時だ。

そのまま会社で継続して働くこともできたが、Sさんは長年の夢だった喫茶店を始めることにした。しかし、夢と現実のギャップは大きかった。経営は赤字続き。退職金は800万円を受け取ったが、それもお店の資金や生活費に使ってしまい、余裕がない状況に陥った。

困ったSさんは妻にも状況を説明して相談した結果、二人の子供が独立して夫婦二人には不釣り合いに広くなった家を売却しようと、苦渋の決断をした。