撮影/佐藤圭(以下同)
# 生命科学 # 動物

北海道の固有動物が壊滅の危機!? 動物写真家が憂うアライグマ問題

フクロウやモモンガも被害に
今年1月までの1年間、365日、「北海道から毎日お届け中」のタイトルで、北海道に棲む野生動物たちの癒し写真を、現代ビジネスに連載してくれた動物写真家の佐藤圭さん。春夏秋冬、地元の留萌管内や大雪山系、知床半島など北海道の大自然の中を行脚しながら撮影を続けている圭さんが、最近、とても可愛らしいある動物の繁殖が心配でならないという。

とっても可愛くて、とっても厄介

アライグマは、とても可愛い動物です。

カメラのレンズ越しに見る顔は愛嬌たっぷりで、思わず微笑んでしまいます。

愛嬌たっぷりのアライグマの顔は、目の周りから頬にかけて黒いのが特徴

でも、この可愛らしい動物が、今、僕が住む北海道では、とても厄介な存在になっています。

 

アライグマは、北米大陸原産で、元々日本には生息していませんでした。初めて国内で野生のアライグマが確認されたのは1960年代で、愛知県犬山市の日本モンキーセンターから脱走した個体だったそうです。

その後、1970年代になると、テレビアニメ『あらいぐまラスカル』の人気もあって、アメリカからペット用としてどんどん輸入されるようになりますが、アライグマは成長するにつれて気性が荒くなり、飼っている人が手に負えなくなって野に放つケースが多発します。そして、日本には天敵となる動物がいなかったことから、どんどん増えて、あっという間に日本中に生活圏を広げました。

巣穴から顔を覗かせるアライグマ

数年前までは、冬には極寒となる道北では、アライグマは越冬できなかったのですが、温かい納屋や牛舎、人家の屋根裏、軒下などに隠れて冬を越すようになって、今では道産子のアライグマが相当な数になっています。

僕は、ほぼ毎週のように撮影に出かけますが、最近、彼らの姿を見かける日は多く、北海道の山野を席巻しているのを実感しています。

雪原でエサを探す。遠目にはタヌキと似ているが、しっぽのしましまがアライグマの特徴だ

ただ、僕は、棲んでしまったものは仕方ないと割り切り、アライグマも北海道の動物だと認めて、ほかの動物たちと同じように撮影していました。

ところが、知り合いの農家さんたちからアライグマの特異な生態や、農作物への被害の甚大さを聞き、これはホントにまずい、いやこれからもっともっとまずいことになると思い、筆をとりました。