生まれたときは「デブ」という言葉は知らない

古来より言い伝えられている一般常識として「他人が嫌がることをしてはいけません」「人をいじめてはいけません」というものがあるが、実際には、いつまでたってもその教えに反することが行われ続けている。

たとえば保育園児時代、私を「デブ」と嘲笑った5歳の男の子は、生まれながらにして他人を「デブ」と侮辱し、嘲笑うことを知っていただろうか。いや、前世の記憶を保持していたり天の啓示でもない限り、生まれたばかりの子供はデブを罵らない。万が一、啓示だったとしたら、初めて発する言葉が「ママ」「パパ」「ワンワン」などではなく「デブ」ということになる。これはかなりショッキングだ。

子どもたちは最初「デブ」という言葉は知らない。教えるのは大人なのだ。photo/iStock

他人がどんなことをすれば嫌がるのか、そしてどんな人が弱く・反発しない者なのか、子供たちは大人たちの言動を見て学んでいる。あの男の子は、どこかで大人が太っている他者を嘲笑い、非難し、侮辱していたのを真似していたのだ。「子供だから仕方がない」と笑いながら庇う人もいるが、目に見える傷より心の傷の方がずっとケアしづらく、何十年も残る。現にこうして30年経ってからもあの時の不快感をよく覚えている。

もしその頃の私がスター・ウォーズのカイロ・レンだったら一心不乱にライトセーバーを振り回し、目につくもの全てを破壊しまくってでも自分の気持ちを表現したが、当時の私はまだフォースが覚醒していなかった。残念でならない。