生活習慣に気をつけるだけで、がんのリスクは43%も減少する!

『がんと闘う病院』に教わるがん予防法
がん・感染症センター都立駒込病院

⑤野菜と果物の摂取について

野菜は一日あたり350g以上摂取すると、カリウムやビタミンC、食物繊維などが適量に摂取できるので目標値として示されています。

一方、果物はその摂取量が少ないとがん発症の危険性が上がると考えられていますが、ただ、果物の摂取量が多いからといってがん発症の危険性が下がるわけではないので、一日あたり100gを下回らないように摂取するのがよいと考えられています。

⑥塩分の摂取について

日本人の食文化では、塩分はその特徴を保つために欠かせないものですが、過剰な塩分摂取はがん発症の危険性を高めますので、現実的な数値目標として一日あたり男性8g未満、女性7g未満という値が示されています。

塩分は控えめに(photo by iStock)

がんの原因になる感染症?

日本人のがん発症において、ウイルスや細菌の感染は、男性では喫煙に次いで2番目、女性では最も大きな要因になっています。

ウイルスとしては、①肝臓がんと関連するB型・C型肝炎ウイルス、②子宮頸がんと関連するヒトパピローマウイルス(以下、HPVという)、③成人T細胞白血病・リンパ腫と関連するヒトT細胞白血病ウイルス1型(以下、HTLV-1という)など、また、細菌としては、④胃がんと関連するヘリコバクター・ピロリ菌などがあります。

ウイルスや細菌の感染からがんへ進行することを防ぐためには、正しい知識を持つことが重要で、特に感染経路について正しく理解することは、偏見や差別を防ぐうえでも重要です。

また肝炎ウイルスに関しては市区町村や職場での検査体制の整備が進んでいて、受検率の向上が図られています。

①肝炎ウイルスについて

肝臓がんの予防のためには、肝炎を早期に発見し、また、感染が確認された場合は早期治療が重要です。

検査を受けていないために感染に気づかない場合や、感染が判明しても治療の必要性
についての認識が十分でないために治療につながらない場合がありますので、正しい理解が必要となります。

2016年にはB型肝炎ワクチンが「予防接種法」に基づく定期接種に追加され、
その着実な実施が求められています。

②HPVについて

子宮頸がんの発生は、その多くがHPV感染に起因すると考えられています。HPVワクチンも2013年に「予防接種法」に基づく定期接種に追加されましたが、ワクチン接種後に、痛みやしびれ、動かしにくさ、不随意運動などの副作用と思われる症状が報告されたため、現在のところ積極的なワクチン接種の勧奨は差し控えられています。

③HTLV-1について

成人T細胞白血病・リンパ腫の原因となるHTLV-1については、その主な感染経路が母乳を介した母子感染であることがわかっていますので、市区町村における妊婦健康診査の項目として実施されています。

④ヘリコバクター・ピロリ菌について

ヘリコバクター・ピロリ菌が胃がんのリスク因子であることが科学的に証明されています。そのため、胃がんの発症予防には除菌が有効で、保険適応になり、強く推奨されています。

現在、市区町村や保健医療に関わるさまざまな団体で緊密な連携が図られ、ここに記載したがんの一次予防策についての普及啓発活動がなされていますので、広報媒体などを通して積極的に情報を得ていくことが必要です。