がんの予防は、一次予防と二次予防に大別されます。
生活習慣などの改善と、リスクとなる感染症を予防することで、がんの発症を防ぐのが一次予防、がん検診で、がんを早期発見するのが二次予防です。
まずは、一次予防によるがん予防について見ていきましょう。
「バランスの良い食生活」「適度な運動」「適正な体重の維持」「節酒」「禁煙」の5つの生活習慣に留意することで、がんになるリスクは、男性で約43%、女性で約37%低くなるといわれています。
ウイルスや細菌の感染も、がんを引き起こす可能性がありますので、その感染予防や治療について正しい知識を持つことも、がん予防につながります。
がんを引き起こす因子としては、①過剰な飲酒、②喫煙・受動喫煙、③運動習慣のないこと、④肥満や痩せ、⑤野菜や果物の摂取不足、⑥塩分の過剰摂取などが知られています。
がんを防ぐには、これらの因子を排除するよう、日頃から適正な生活習慣や食事摂取を意識することが大切です。
①飲酒について
国立がん研究センターの「日本人のためのがん予防法」によると、飲酒するならば、一日あたりアルコール量に換算して約23g程度までを上限の目標としています。
これは日本酒なら1合、ビールなら大瓶1本(633ml)、350ml缶だと2本弱、焼酎や泡盛なら3分の2合程度、ウイスキーやブランデーならダブル1杯(60ml)、ワインならボトル3分の1本(約250ml)程度になります。
②喫煙と受動喫煙について
喫煙は、肺がん、胃がん、食道がん、膵がん、肝臓がんなどの発症との関連が明らかになっており、がん発症の要因となる生活習慣の一つです。
また、受動喫煙のある人はない人に比べて、肺がんを発症する危険が1.3倍になることが報告されています。さらに、受動喫煙による死亡者数が、肺がんで約2500名にのぼることが2016年に厚生労働省から報告されています。
③運動習慣について
がんを予防するには、一日30分以上の運動を週2回以上、継続的に実施することが大切です。
④適正な体重について
肥満や痩せなどなく、適正な体重を維持することも、がんの予防には大切です。
適正な体重の基準は、BMI(Body Mass Index, 体格指数ともいい、体重㎏ ÷ (身長m)2で算出します)がその指標に用いられることが多く、中高年期では、男性21〜27、女性21〜25が適正な体重とされています。