中国とのインテリジェンス戦争で日本が生き残るために必要なこと

ファイブ・アイズの価値を真剣に考えろ
小谷 賢 プロフィール

オバマ時代に米国は優位を失った

2017年のトランプ政権の成立によって、それまで対中融和的だった米国の態度は激変した。

遡ると米国は2001年の同時多発テロによって、長いテロとの戦いに突入しており、米中間の安全保障問題や経済問題は二の次となっていたのである。

特にオバマ政権が対中融和的な態度を取り続けている間、米国は中国のサイバー攻撃によって莫大な知的財産を侵害され、軍事面においても東アジアにおける米国の優位はもはや維持できなくなっている。

米国のシンクタンクの試算によると、ほぼすべての米国ハイテク企業が中国のものと見られるサイバー攻撃を受けており、これまでの累積被害額はおよそ6兆ドルにも及ぶという。

そしてこのような状況に怒りを露わにしたのが現トランプ政権であり、2018年1月にジェームス・マティス国防長官(当時)が、これからはテロではなく中露との競争が最優先事項だと高らかに宣言するに至った。このマティス演説によって、米中は新冷戦ともいえる状況に突入したと言ってもよい。

マティス前米国防長官(左)と魏鳳和中国国防部長 photo by Gettyimages

そしてこの状況は悪化することはあれど、好転する見込みはなさそうである。なぜなら中国政府は2049年の建国100年の年までに台湾併合を果たすことを、政治的な悲願としているからだ。これは2049年までに東アジアは台湾をめぐる動乱に巻き込まれることを意味している。

 

中国分析の専門家、ジェームズ・ファネル元米海軍大佐は、特に2020年から30年までの10年間が懸念すべき時期であると指摘しており、我々にはもはや静観している時間はほとんどないといえる。ちなみに同氏は2014年に中国脅威論について警告を発したことで、オバマ政権の不興を買った経緯の持ち主である。