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中国とのインテリジェンス戦争で日本が生き残るために必要なこと

ファイブ・アイズの価値を真剣に考えろ

とうとう始まった

6月に中国政府が立法化した香港国家安全法は、米中対立を決定的なものとした。これまでも両国関係は緊張状態にあったが、米国は同法の制定によって、中国が越えてはならない一線を越えたと見なしたようだ。

この法律によって香港の司法制度に信頼が置けなくなったとして、イギリス、カナダ、ニュージーランド政府は香港と取り決めていた犯罪人引き渡し条約を停止しており、米国もこれに倣うものと見られる。

さらに7月、米国政府はヒューストンにある中国総領事館の閉鎖を命じた。これは同領事館が中国の諜報活動の温床になっているとの判断で、水面下のインテリジェンスの鍔迫り合いが表に出た形だ。米中間の対立は、香港問題を切っ掛けにして危険水域に入りつつある。

ただ香港情勢については、中国側が主張するように中国の内政事項であるので、各国は表立ってこれに介入することはできない。

問題があるとすれば、中国政府が1984年の英中共同声明を遵守していないのではないかという点だ。

同声明内の付属文書には「香港特別行政区においてはその成立後も社会主義の制度と政策を実施せず、香港の既存の資本主義制度と生活様式を保持し、五〇年間変えないことを規定する。」と記されており、両国ともこれに合意しているため、国際法上の原則、「同意は拘束する」が発生している。

中国側は批判に備えるため、2017年に外交部が「英中共同声明は歴史の遺物であり、拘束力は持たない」と主張しているが、これは正当性に欠ける。ここでは合意した条約を自らの事情で一方的に破棄することは、国際的には非常識であり、国家の信頼に自ら傷を付けるような行為であるとだけ指摘しておこう。

悪化の一途を辿る米中関係おいて、国際法上の解釈論は些末な問題と化しており、米英を始めとする諸国は、香港における人権侵害の方を問題視し、連日のようにこれを糾弾している。

日本においても香港の民主派リーダーである黄之鋒氏や周庭氏が逮捕されるというニュースが報じられ、日本共産党ですらこれを人権侵害と見なして批判した。

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今の所、表立って中国の行為を擁護するメディアは皆無といってよい。逆に言えば、現在の度を越えた中国の振る舞いからは、中国側の焦りが見え隠れする。