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米国の異常な株高を支える投資アプリ「ロビンフッド」の危険なカラクリ

損失で首が回らなくなる若者が続出中…

コロナ禍の下での奇妙な株高が続く米国で、それを水面下で支えているのがミレニアル世代の新しい個人投資家だ。彼らが日常の投資ツールとして重宝しているのが「ロビンフッド」と呼ばれるスマホ・アプリ。ゲーム感覚で株の売買ができる同アプリは、現在の異常な株高の光と陰をくっきりと映し出している。

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手数料ゼロで金融を「民主化」

ロビンフッドの特徴の一つは「ワン・クリック・トレーディング」だ。

同アプリのスマホ画面には、ビデオ・ゲームさながらのコミカルな絵文字や紙吹雪が派手に舞い踊るが、そこに表示された株式の銘柄をワン・クリックするだけで、売買が成立してしまうのだ。おまけに株式取引の手数料はゼロ。また値嵩優良株も複数のユーザーと共同購入できるので、少ない手元資金で買うことができる。

これらのことから、ロビンフッドのユーザーは概ね20~30代、つまり1980年代以降に生まれた、いわゆるミレニアル世代が大多数を占める。なかにはティーン・エイジャーも含まれているが、いずれにせよ手元資金が少なく、これまで証券取引の経験もほとんどないような若者たちだ。

スマホ・アプリ「ロビンフッド」を提供するロビンフッド・マーケッツ社は、元々そうした若者たちに株式取引のチャンスを与えるため2013年に設立された。スタンフォード大学の二人の学生によって創立された同社は、当初から「金融の民主化」をモットーに「収入がなくても誰もが利用できる金融サービス」を目指した。

その背景には、2011年頃に起きた「Occupay Wall Street(ウォール街を占拠せよ)」運動があるとされる。

 

2008年のリーマンショック以降、米国人の上位1%が富の大半を独占しているとの批判が高まる中、ウォール街でデモ行進や座り込みを繰り広げた大群衆は、有効な対策を打ち出せない米国政府に失望する99%の庶民を代表していた。

このように不平等な世界を是正するためには、十分な手元資金のない人でも手軽に株を買えるようにして、人生で一発逆転のチャンスを与えてあげる必要がある――こうした思想のもとに生れたのがロビンフッドなのだ。

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