撮影:山本智之

国産ものが消滅する!? ホタテガイの生存を脅かす一大危機の正体

「冷たい海」への適応進化が裏目に出る

水産物を輸入に頼る海洋大国

四方を海に囲まれた日本──。領海と排他的経済水域(EEZ)を合わせた面積は447万平方キロメートルで、世界6位にランクされる海洋大国だ。

それにもかかわらず、私たちはいま、大量の水産物を外国から輸入している。2017年時点で、その量は年間248万トン、輸入額としては1兆7751億円にのぼる。

 

品目別でみると、サケ・マス類やエビ、マグロ・カジキ類、イカなどのジャンルで輸入品が多い。

一方、日本から海外へ輸出される水産物は、同じ2017年の段階で年間60万トンにとどまる。金額では2749億円だ。

水産物の輸入額は、輸出額に比べて圧倒的に多いのが現状なのである。

そんななか、「日本からの輸出水産物」として大いに健闘しているのが、ホタテガイ(Mizuhopecten yessoensis)だ。

店頭に並ぶ、生きたホタテガイ(札幌市、山本智之撮影)

財務省の貿易統計によれば、日本の水産物における輸出額で、ホタテガイは項目別トップの約463億円におよび、全体の16.8%を占める。おもな輸出先は中国や米国、香港、韓国などで、ホタテガイは、日本が世界に誇る「輸出水産物」なのである。

だが、そのホタテガイに大きな危機が迫っていることを、どれだけの人が知っているだろうか?