甲子園で人生が変わった男が、「今年の高校球児たち」に伝えたいこと

動画「炎のベースボール解説」第14回
金村 義明 プロフィール

夢を諦めないで! 誰かが見ているから

——今年、コロナ禍のせいで甲子園への道を奪われてしまった高校球児たちへのメッセージをお願いします。

金村: これはもうただかわいそうと言うしかないです。

昔も出場停止っていうのはよくありました。自分たちはなんにも落ち度はなくても、引退した先輩らが、喧嘩したり、悪さすると出場停止になる。あの張本勲さんもそういう事情で甲子園に出られなかった。で、東映フライヤーズへ行ったんですから。

僕のひとまわり上の先輩とかで、そんなふうに夢がなくなったら、グレてしまった人が多いんです。

今年、夏の大会の中止が決まったときに、テレビを観ていると、甲子園を目指していた監督、選手たちは号泣です。選抜のときも泣いておりました。

道を誤ってしまった先輩を見てきた僕が言えるのは、甲子園という目標がなくなって夢破れてもグレてほしくないということ。今よく言われる反社とか半グレとか、そんなのには絶対ならないでください。

君たちのがんばりはきっと誰かが見てくれています。今はクラブチームもあります。独立リーグもあります。そういうところから、どんどんプロに入っていく時代になっているんです。

また、SNSを使ってアピールするのもいいと思います。スカウトの目にとまるかもしれない。本当誰かが見てますよ。

この僕の場合で言うと、ピークは甲子園で終わって、プロに入って流れ流れて、野球生活終わって、なんかできるやろと思ってたら、なんの仕事もなかった。

 

でも、そのときに、「俺はあの甲子園で頑張れたんや。あそこが原点や。子どももいるし、こっから解説者になるために頑張ろう」と思って、休まず動き回って色んな人にお会いしました。動き回ったおかげで、力になってくれる人も出てきました。見ていてくれた人がいたんです、「あの、いつもグラウンドにいるやつ、何者や?」と。

どこにも所属していない、「野球人」と書いただけの名刺を持った金村義明が、キャンプ地を回る、12球団全部行く。それをちゃんと見てくれている人がいて、ある意味スカウトのようなかっこうで解説者にもなれて、それから仕事がどんどん広がっていったんですから。

高校球児のみなさん、まだまだ人生はこれからです。野球続ける人はどうぞ続けてください。誰かが見てます。特にソフトバンクのスカウトなんかどっから見てるかわかりませんよ。「どこで見つけてきたの?」って選手を、育成枠で獲って戦力にまで育ててます。

今は、独立リーグからもどんどんプロ入りしています。四国アイランドリーグの高知からロッテに入った角中(勝也)は首位打者になってます。ジャイアンツの原さんも、徳島インディゴソックスの選手(増田大輝/8月6日には野手でありながら中継ぎ登板)を代走なんかで使いながら育ててます。ヤクルトの高津(臣吾)新監督は独立リーグ(新潟アルビレックスBC)で監督もやってましたしね。

角中勝也(千葉ロッテマリーンズ)。昨シーズンは、独立リーグ出身者として、初の1000安打を達成

だから、絶対あきらめないで。夢をあきらめないで。これ、野茂(英雄)のテーマです。NOMOベースボールクラブも門戸を開けますから。生活するのは厳しいですけど。夢をあきらめないっていうことを、子どもたちにも忘れないでほしいですね。

金村さんの熱いトーク、ぜひ動画でもお楽しみください。

(※本稿は動画を記事をしてまとめたものです)

関連記事