自殺したくなるのは、考える人だから(photo by iStock)

24時間思い悩み、苦しみ続ける人は、考えることが大得意な人

たいしたもんじゃありませんか!

周りの人たちはみんな幸せそうなのに、自分だけが絶望を味わっている――こんな苦しさを感じる人は多いかもしれません。

でも、そう思っているのはあなただけではありません。死にたい時は、みんな仲良く同じことを考えていて、僕自身もそうなんですと、建築家で作家の坂口恭平さんは言います。自殺者をゼロにしたいと10年も前から自らの電話番号を公開して相談に乗っている坂口さんの考えに耳を傾けてみませんか?

「死にたくなったらどうすればよいのか?」を優しく綴った最新刊『苦しい時は電話して』から、坂口さんの前向きな考え方をお届けします。

前回記事:自殺したくなるのは、発熱するのと同じ「体からのメッセージ」です

 

「自分はもうダメだ」と思ってしまう

反省するということは、過去に向かっているわけです。これまで起きたことすべてが反省の材料になります。

では、未来に目を向けたらいいのかと考えます。それではまずやってみましょう。これからのことを考えてみる。これから何をしていくのか?

どうでしょうか?

多くの人が気が遠くなったり、途方に暮れたりしているのではないでしょうか。

明日もまた同じようにうなだれる日がやってくる。明日だけじゃなくて、これからもずっとそんなふうになる。きっと自分はもうダメだ、どんどんダメになっていく、ますます貧しくなっていく、となってしまいます。

少なくとも僕はそうなりますし、「いのっちの電話」にかけてきた人も同じように感じています。つまり、これも個性がなく、みんな同じ状態に陥ってしまっているようです。

周りを見ると、みんな幸せそうで、こんな絶望的になっているのは自分だけで、だからこそ、救いがない。

みんなそう思ってしまうようです。

自分だけが絶望的だと思っていませんか?(photo by iStock)

僕が電話で聞く限り、この将来に対する不安もみんな一様で、個性がないんです(文句を言っているわけじゃないですよ)。

個性がないってことは、つまり、これも症状ではないかということです。死にたい時にはどうしてもこうなってしまうのではないか。

こう聞くと、少し安心しませんか?

もちろん、苦しいですよね。僕も自分がこの状態になってしまっている時には、どんな言葉を聞いても安心できません。そうやって安心して、リラックスしたふりをしても、実は大変なんだよ、お前はダメなんだよという声がすぐに聞こえてきて、参ってしまいます。

本当にこれはきつい!

人から聞いた言葉よりも、自分が考えていることのほうが正しいという感覚になってしまうようです。だから、なかなか人の意見を受け入れることができない。

それよりも、今、自分がとんでもない状態に陥ってしまっている、これはとても絶望的だ、おそらく自分はダメになるだろう、と考えてしまいます。

立ち直る可能性だって同じくらいあるんですけど、決してそうは考えません。必ずダメになってしまうと感じてしまいます。それは極端な考え方なのではないか、と落ち着いて考えることはできません。

どんなにいいところを伝えたとしても、「いやそんなことはない」「それはそうだけど、でも」と言いながら、かたくなに悪い方向に目を向けようとしてしまいます。死にたくなっている時には、それこそ必ずそうなってしまうようです。

すべて僕自身の経験

僕もそうですし、他の人もみんなそうです。みんな仲良く、同じことを考えています。あなただけの問題ではありません。むしろ、あなたの問題ではありません。問題ですらありません。そういう症状、そういう思考回路に入っているだけのことなのです。

というわけで、未来のこと、将来のこと、明日のことも考えることができません。過去のことはどんどん考えて、どんどん尽きることなく、細かいことまでもすべて反省します。

しかも、反省したからといって、何か対策を練るというわけでもなさそうです。とにかく反省だけをし続けます。

あなたへの文句を言っているわけではありません。僕がいつもそうなのです。正確に知ることができるのは、自分のことだけです。だから、ここで書かれているあらゆる症状、「お前大丈夫かよ」と言われてしまいそうなおかしな思考回路は、すべて僕自身の経験です。

恥ずかしくもあるのですが、これを読む人は同じように困っている人だろうから、恥ずかしいなんて言っている場合ではありません。一刻も早く、みなさんが反省しすぎて、自殺してしまわないように、何か手を打ちたいんです。

もちろん、これは僕自身が振り返って、あの時考えてきたことを、今、少しだけ冷静な自分が思い出しながら(もちろん、感情の記憶はありませんから、なんでそんなことを言ったんだよというツッコミはあります)、次に僕が死にたいと思った時に備えておきたいということでもあるのです。

うまくいくかはわからないのですが、それでもやるだけやってみましょう。