「されたらいけない」を知らない子が狙われる

こうした実態を知れば知るほど、どう対処すべきか悩む保護者も多いだろう。

「こう考えましょう。犯罪に遭いやすいシチュエーションをできるだけ避けることはもちろんですが、加害者にとって都合がいいのは、何をされたかわからなくなり被害を訴え出ない子どもです。よって有効な対策は、子ども自身が何をされたかがわかり、それを言語化できる環境づくりや関係性づくりをすること。家庭内でのコミュニケーションやルール設定がカギになります」と斉藤さんはアドバイスする。

おかしなことがあったときに、大人に被害を伝えられる環境を作ることも必要だ。photo/iStock

具体的には
●帰宅時間を決めた上で遊びにいかせる
●遊びに行っている間も、子どもとこまめに連絡を取る(スマホを持たせて)
●日ごろからプライベートゾーンについて話し合いをしておくこと
●スマホのフィルタリングは必ず設定し、有害な情報を見たらすぐに報告する
●なんでも話せる関係づくりをしておくこと

などが挙げられる。

水着で隠れるようなところを、『プライベートゾーン』と言います。それは誰であっても見たり、脱がしたり、触れたりしてはいけない大切な場所だと、親子で話し合い、共有しておきましょう。その上で、してはいけないことをされたら、『それはおかしい』『やめてください』と助けを求めたり声をあげていいのだと伝えておきましょう」

また、「お母さんが交通事故にあったから、一緒に病院へ行こう」と誘うというのも、よくある声かけパターン。このような場合には……
騙されて連れ去られるのを防ぐため、親との間であらかじめ合言葉を決めておくといいですね。緊急事態の時は『うちのペットの名前わかる?』と聞いてみて、答えられる大人なら信じていいなど、ルールを決めておくのです。警戒していることがわかれば、加害者側がたじろぐ可能性が高くなります。このような対処行動をコーピングといいます。コーピングをいくつも用意しておき、普段から子どもと何度も確認し合うことが大切です。これ自体が密なコミュニケーションをとることにつながります」